勝敗を左右したのはビッグフィッシュだった
初日が終わると土浦戦の時にはスタッフとともに事務所に宿泊する。他のスタッフとともに疲れていたため夜8時過ぎには既に就寝していた。私は夜中の1：30に一度目が覚めたが外は静かで雨の様子もない。安心して再びベッドに潜り込み3：30に目覚ましが鳴るまでぐっすりと眠り込んだ。
事務所を出て少し走ると道路のあちらこちらに水溜りがある。土浦新港に到着し話を聞くと土浦周辺は所によりかなりの雨が降ったらしいことが判った。ステージ等もかなり濡れていた。但しこの時点で雨は降っておらず何とかもってくれることを祈りながら準備を進める。ただ気になるのは風である。北寄りのやや強い風がWBSのテントを揺らしている。
ミーティングもそこそこに、初日同様日の出時刻を待ってのスタートとなった。いよいよ泣いても笑ってもWBS2016年シリーズ最終日の始まりである。
WBSの土浦戦では最終日（日曜日）にはグラチャン（岸釣り）が開催される。一時期参加者が十数名まで減少してしまったがここ最近は50~60名の参加者で賑わっている。
今回は天気が悪くなるとの予報のためか若干参加者が少なかった。とは言っても52名の腕自慢が土浦新港に集まった。
10時頃からは雨の中の競技となってしまったが、参加者はめげることもなく終了の12時までグラチャンを楽しんでいるようだった。
雨は強弱を繰り返しながらも止むことはなく二日目のウェイイン時刻を迎えることになった。
1番にステージ前に現れたのは橋本卓哉／宇賀神勇太チームである。リミットメイクのウェイトは3,760gである。サイズはともかく数はそこそこ釣れているようである。
少し安心した・・・というのもトーナメントを主宰する立場としては釣れるトーナメントが理想であるからにほかならない。釣れなくては釣り人を釣り場に呼ぶことはできないのである。
ウェイインは進みいよいよ前日の上位チームがステージ前に現れ始める。前日5位に着けていた川口信明／柏木健作チームは5フィッシュながら3,710gと苦しんだようだ。
初日3位に着けていた藤原勝己／鈴木将之チームもやはり5フィッシュで3,490gと伸び悩んでいる。
自信ありげにステージ前に登場したのは初日10位で折り返した高橋 亨／保延宏行チームである。ライブウェルから取り出さる魚はどれもナイスなコンディションである。
フィッシュチェックを受けコールされたウェイトは5,060gである。がっちりと二人が握手をする。WBSならではの光景である。トータル8,880gで暫定トップに立つ。初日のウェイトが悔やまれる。
やはり自信ありげにステージ前に現れたのは初日4位に着けていた盛 隆弘／田口 晃チームである。１デッドのペナルティーを受けながら前日と同スコアの4,930gを持ち込み暫定トップに立った。
2日間のトータルウェイトは9,860gで200gのペナルティーが無ければ10kgオーバーである。会場から惜しみない拍手が贈られる。
いよいよウェイインショーも佳境に入ってきた。前日2位に着けていた成田紀明／関口恭兵チームの登場である。
次々とライブウェルからバスが取り出されていく。私が小声で「デカイのは？」と聞くと大きな声で「いますよ！」という返事が返ってきた。そして・・・！
デカイ！明らかに長さよりもその体形はまさにプリスポーンバスである。そして検量の結果は5,230g！BigFishはなんと2,400gである。この魚が結果的に勝負を決めることになる。ここでトップが入れ替わった。
そして最後のウェイインは初日トップの松村 寛／キムショーチームである。
リミットメイクはしっかりと達成し、持ち込まれたウェイトは4,720gで残念ながら準優勝となった。しかしこのウェイトは2日目全体の中で4位のウェイトであった。Aプロ同士の組み合わせで二人のポイント・エリアを出し合って戦い切った両名には拍手を送りたい。
この第5戦の成績で第4戦終了時点で年間成績を22位松村 寛、23位キムショーとしていたところを大きくジャンプアップして両名ともクラシックの出場権を手にした。
そして同時にWBS2016アングラーオブザイヤーは香取潤一選手に決定した。またベストパートナーオブザイヤーには田中貴史選手が獲得した。両選手とも初の受賞である。
会場では10月に開催されるWBS プロクラシックの出場決定者の発表も行われた。今年は年間成績上位15名に加えディフェンディングチャンピオン蛯原英夫選手の16名にて10月15‐16日に開催される。
