その777 霞ヶ浦で学び知ったこと
霞ヶ浦で暮らし始めて23年が経過した。
今までの人生の1/3をこの地で過ごしたことになる。
引っ越した当時から大きく変化しているのは、交通網である。
道幅が広がって、バイパスが出来て、高速道路が延伸されて・・・等など、
今まで田畑や荒地だった場所に道路が出来ている。
交通網の延伸と共に企業の進出も目立つ。
工場や物流拠点、営業所などが造られたている。
必然的にそのような場所に棲息していた動植物は追いやられる。
そこに希少種や絶滅危惧種などがいてもお構いなしである。
人間の利便性が優先されて生物たちは蔑ろだ。
が、このことを攻める気持ちは更々にない。
俺も人間だもの人間優先で良いと思う。
合点が行かないことは、一方で自然生物を蔑ろにしているにも拘らず、
他方では生物多様性とか、生態系保全にかこつけて、
俺たちの生き甲斐であるブラックバスを槍玉に挙げて、
駆除活動を推進している環境省と自治体である。
また、外来種の排斥運動をことさら正義とばかりに吹聴する一部の学者や、
それに乗っかっているメディアである。
ちょっと考えれば正しい答えが出てくるのだろうが、
考えないから直ぐに駆除と言う言葉が出てくる。
で、湯水のように税金を投入する。
いや、はや、まったくもって税金の無駄遣いである。
税金を払っている身としては、なんとも悲しく、なんとも辛い。
俺は霞ヶ浦に引っ越して様々を知ることができた。
生態系を奈良の大仏に例える馬鹿な学者のいることや、
外来種のことをしっかりと理解しているが、
立場上、声を大にして言えない臆病な役人のいることなど、
だがね、そんなことで人を責めても問題は解決しない。
それは外来種問題が一緒の宗教非難の様なものだからである。
宗教を異とする人は異教徒として弾劾される・・・
外来種問題の奥深さはこの点にあると考えるのだね。
さて、さて、生態系って何だろう? 生物多様性って何だろう?
しっかりと理解している人っているのだろうか?
外来種が入って来て、それまでの環境に刺激を与え、
新たな環境を作り出す・・・こう考える人はいないのだろうか?
今の大相撲のように・・・。