Bの生き甲斐


11月18日から20日の三日間、テキサスのレイク・コンローで行われたB.A.S.S.のネイション・チャンピオンシップでルイジアナのライアン・ラビーンという選手が優勝した。

これだけだと普通のニュースだが、特異なのは彼がノンボーターだったこと。それがぶっちぎりのウェイトで優勝し、来年のバスマスタークラシックの切符も手にしてしまったのである。

ルイジアナ州のB.A.S.S.のフォーマットで、ノンボーター枠を割り当てられたライアンはめげずにプラに励み、どんなボーターと組んでもベストを尽くせるように準備した。

釣りのプランはいうまでもなくボーターに決める権利があるが、ライアンの提案にはボーターも従うことがあった。それらは非常に有益な情報と思われたからである。

ライアンはいう。もしノンボーターで出ることを躊躇っているのなら、チャレンジしたほうがいい。なぜなら私は誰もが出来ないだろうと思っていたことをやってのけたからである。

というわけで連想するのはW.B.S.の今年のPOY(パートナー・オブザ・イヤー)田中貴史氏。

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ちなみにこれをBPOYなどと称する場合があるが、だったらAOYもBAOY(ベスト・アングラー・オブザ・イヤー)にしないとおかしい。POYでいいのである。

そんなことはともかく、田中氏は以前はレンタルで山中湖のトーナメントに出ていたが、5年前にチャンピオンを購入してからW.B.S.に挑戦する夢を描いていた。最初は敷居が高いと躊躇していたらしいが、ノリーズの折本氏や西村氏のファンだったこともあり、香取氏や麻生氏らの知遇を得る中でチャレンジを決意。2年前にBデビューした。

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試合に臨む姿勢は素晴らしく、Aプロとのコミュニケーションを大切にしてプラにも極力出るように努めた。その努力が実って今年、Bの一位に輝いたのである。

「それまで憧れていた人々と組むことが出来て、幸運でした。BはBでとてもやり甲斐があります。いつかはAを目指していますが、当面はBで頑張ります」。

調布市在住のシステムエンジニアは、生き生きとそう語ってくれた。来季の田中氏の活躍に期待したい。 (大和小平)

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