WBSカスミプロクラシック26レポート


小島貴が釣り勝った!
極寒のクラシック

2017W.B.S.プロクラシックレポート

寒かった。
実に寒かった。
おまけに二日間とも雨。


本来ならば、鰯雲も爽やかな秋に行われるはずだったクラシックだが、17名の選手たちに用意された舞台は超過酷なコンディションだった。

バストーナメントは自然の中で行われるスポーツだから仕方がないが、強い風、冷たい雨、そして極端な水温低下は想定外。
直前が夏日だっただけに落差は大きい。
ウソのような天候の変わり方は前週のプラを台無しにさせた。

10月14日15日とも、ランチングを終えた各選手はいつものように日の出時刻を待ってスタートしていった。


二日間ともスタート時の気温はおおむね14℃、そして水温は17℃。
魚はどうしてもスローになる。そんな魚に口を使わせようと、多くの選手は巻きの釣りを駆使したが、思うようにはいかない。

選手は勝利だけを求めて思い思いのエリアに進んでいったが、
強い北東風の影響で西浦北岸でエレキを降ろした選手が多かった。
中には西の洲で勝負をかけた選手もいたが、プレスの人も船酔いするほどの荒れ方。
北浦に走った選手は「ガブガブ」の湖面を見て直帰した。

2日目には風は少しだけ和らいだが、雨と寒さは変わらなかった。
こうして今年で26回目を迎えたクラシックは、今までにない超タフコンディションに襲われてしまったのである。

その結果、釣果もかなりスローになってしまった。

リミットメイクしたのは初日1名、二日目1名という貧果に終わってしまったのである。

ちなみに初日のリミットメイカーは優勝の小島選手。

2日目は東岸でスピナベを引き倒し、トップウェイトをマークした小田島悟選手だった。

ノーフィッシュは初日二日目とも5名。
(ペナルティーを科された結果の0申告含む)
これは恐らく、クラシック史上初ともいえるロースコア。
それだけ、状況が悪かったともいえる。

そんな中で二日間トータル8kg近い数字を作って優勝したのは小島貴選手。
なんといっても初日の5本6615gという破壊的なウェイトがモノをいった。

前日のプラで桜川をチェック。
ブッシュの中にテキサスリグを入れ、
徐々にスモラバなどの小さ目のルアーにシフトしていった。
その後、逆に大き目のルアーに変えて行ったら好反応。
水深があるレイダウンの裏に魚が浮いていることを察知して、「もうやめよう」と温存。

初日は水温が4℃も下がっていたが、リアクション的に釣ろうと3番スタートを利してプラン通り桜川に直行。この日の桜川は寒い雨のおかげで、プライベーターやレンタルも皆無。貸切で釣りが出来た。
とりあえず匂橋の橋桁にクランクベイト「ファクト・クラフト」を通してみれば、幸先よくキロフィッシュが来た。

これはまさに行きがけの駄賃。
その後は桜川中・上流、常磐道近辺をメインに夏のデカイ魚が残っているであろうエリアをチェック。プロズファクトリー エキップ モーション3/8を駆使してブッシュに入れて跳ねさせたり、手前にスイミングさせたりとワザを使ってナイスサイズを釣りまくった。この結果が6615gである。当然、ダントツでトップに立った。

 

2日目は3kgを目標に桜川に入り、
8時前にキロアップが釣れて勝利をイメージしたが、後が続かない。
次第に「ヤバクなってきた」小島選手は東風が吹き始めたタイミングでバックアップに用意していた本湖のクランクパターンにシフト。ウィンディーサイドの西浦西岸ハードボトムを攻め2バイト。しかし2回ともバラしてしまう。「あー、これでは勝てない」と落胆したが、初日のビッグな貯金が効いて逃げ切った。

さらに小島選手は初日のビッグフィッシュを1785gで、2日目のビッグフィッシュを1340gで勝ち取るなど総取り。この日はまるで「小島デー」のようでもあった。

小島選手はこれでクラシックは2回目の制覇である。初日のウェイトが派手だっただけに、大胆なゲームが持ち味のような印象を受けるが、今回のラバージグ使いのように、実は緻密な釣りも得意である。

前日のプラで手答えを掴んで魚を温存したように、プラで釣りまくることはせず、我慢も覚えた。

2日目に1本釣れた後の時間は「胃が痛くなった」というが、その1本が勝利をもたらした。
たかが1本、されど1本である。激タフな中での価値ある勝利だった。

小島貴
Tackle1(初日と二日目のビッグフィッシュ)
Rod: Evergreen International ヘラクレス エアリーフリップ
REEL: DAIWA タトゥーラSV TW (初日はDAIWA タトゥーラSV)
LINE: Evergreen International バスザイル マジックハードR 16lb
LURE: プロズファクトリー エキップ モーション3/8
(トレーラー:キッカーバグ4.5)

Tackle2
Rod: Evergreen International ヘラクレス ウォレシア
REEL: DAIWA PX68
LINE: Evergreen International バスザイル マジックハードR 10
LURE: FACT クラフト

 

準優勝はディフェンディングチャンピオン・今井新選手。

プラでは本湖下流のブッシュ、ベジテーションでグツドサイズが釣れることを確認。
初日、そこでO.S.Pの新しいジグ、タッガー+ ドライブスティックをメインに、喰うまでシェイクした。

しかしノーバイト。
シャローを諦めようかと思った時に初バイトがあり、結果的に5バイト4フィッシュ。
その後は東岸をローテーションするも追加なし。しかし3935gとまとめて2位スタート。
トップとは差が大きいが逆転は不可能ではない。

2日目も東岸のシャローに行ったが、
風が弱まったタイミングで南岸の和田あたりに行き、コンクリートのガレ場で
ブレードジグ3/8などを投げれば、すぐに3本ゲット。
これは行ったか? と前のめりになったが、後が続かない。
吐きそうになりながら「魔の時間」を過ごした。
結局、その3本3455gで終了。
準優勝に終わった。

だが、小島選手を脅かした釣り込みは称賛に値する。
丁寧に、しつこく釣るのが今井選手の身上。
最後まで諦めない釣りが準優勝につながった。

 

準優勝
今井 新
Tackle1
Rod: Evergreen International ヘラクレス 67MH-LTS
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: サンライン BMS 14lb
LURE: OSP Tugger(スモラバ)
Trailer: ドライブスティック3inダークシナモン・ブルー&ペッパー

Tackle2
Rod: Evergreen International ヘラクレス 67MH
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: サンライン BMS 14lb
LURE_01: OSP ブレイドジグ スペック2 3/8
Color:ブラック/ブルー/パープルトレーラーはアクショントレーラー
LURE_02:ハイピッチャー3/8
Color:スパークホワイトチャート

 

Tackle3
Rod: Evergreen International FACT HFAC-66MST
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: サンライン BMS 12lb
LURE: OSP ドライブクローラー4.5in
COLOR ダークシナモン・ブルー&ペッパー
シンカー 3/64oz(1.3g)

 

 

3位は高熱でプラも思うようにいかなかった柴崎智尋選手。

本湖西浦東岸のゴロタ場をメインに、イマカツ・ダルドをゆっくり巻いて拾っていった。
トータル4710gでの3位に本人も驚いていたが、これもタフゲームがなせる業である。

三位
柴﨑智尋
Tackle1
Rod: Evergreen International テムジン スティード
REEL: ABU Revo LT
LINE: 東レ エクスレッド 12lb
LURE: イマカツ ダルド

Tackle2
Rod: Evergreen International テムジン コブラ
REEL: ABU Revo LT
LINE: 東レ エクスレッド 12lb
LURE: イマカツ ダルド

Tackle3
Rod: Evergreen International テムジン トルクマスター
REEL: ABU Revo
LINE: 東レ エクスレッド
LURE: イマカツ ランボルト 12lb

 

こうして今年のW.B.S.トーナメントは全日程を終了した。
今年も話題に溢れたゲームばかりだった。
一戦一戦、今でも印象に残っている。

なかでも、選手各位のトーナメントに賭ける懸命な姿勢は、大きな感動を与えてくれた。

これからもW.B.S.プロとして自信と誇りを持って、試合に臨んでほしい。

日本中の、いや世界中のアングラーがある種のシンパシーを持ってW.B.S.を見ている。

それを忘れずに、いつまでもカッコイイ釣り姿を見せてほしい。

というわけでW.B.S.トーナメントに関係してくれた全ての方々に感謝しつつ、お疲れ様でした、と申し上げたい。

来年もみんなで力を合わせて、ナイスなトーナメントを作っていきましょう!

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