事実は小説より奇なり!
そのドラマは、まさに奇跡
衝撃のワンツー・フィニッシュ
W.B.S. JAPAN OPEN SHOWA DENKI GROUP CUP
昨年、W.B.S.の意欲的なチャレンジとしてスタートした「オープン戦」。
賞金100万円!
そして準優勝までのW.B.S.選手にはクラシック権が与えられるという特典が用意され、さらにW.B.S.メンバー以外のアングラーへの門戸も開いたことで、
内外の大きな注目を集めた。
昨年は台風の影響で1デイに短縮されたが、
今年は26チームがエントリーしてきた。
中には遠方から駆け付けるビッグネームも多数・・・・・・。
そう、W.B.S.オープンは組織の枠を飛び越えたアングラーが集う
いってみればお祭り的なイベントなのである。
バストーナメントはかくありたい……そんな理想をカタチにした試みなのである。
今年の日程は9月29、30日。
参加選手は全員、カレンダーに〇印を付けてその日の到来を指折り数えたが、あろうことか今年も台風がやって来た。
24号である。
一時は開催も危ぶまれたが、なんとか無事に二日間のトーナメントを終えることができた。
初日は台風とは無縁のまったりした一日。
風もなく、スタート時にはいつものように朝日に向ってプレーンする光景が見られた。
従って、26チーム中11チームがリミットを達成するほど釣果も良かった。
二日目はスタート時こそ穏やかだったが、
7時頃からバケツをひっくり返したような豪雨が降り始め、1時間は続いた。
しかし風はそれほどでもなかった。
その豪雨も昼前には上がり、再び蒸し暑くまったりした気候となった。
しかし表彰式の頃からまた降り始め、撤収の頃には上がるという不可思議な天気だった。
関東地方が本格的に荒れたのは日曜深夜だった。
もの凄い風雨だった。
ちなみに二日目のリミットメイカーは6チーム。
両日リミットを達成したフルリミッターは4チームだった。
さて、そんな激動の環境に見舞われた今年の昭和電機グループカップを制したのは、
既報のようにTEAM EVERGREEN(菊元俊文・飯田秀明。以後「菊元・飯田チーム」)。
初日8位からの大逆転だった。
しかも2位はTEAM E.G.210elite(蛯原英夫・星野和正。以後「蛯原・星野チーム」)
という、EVERGREENのワンツー・フィニッシュだった。
優勝ウェイトは10005g。
堂々たる10kg超えだった。
菊元・飯田チームは初日、山田ワンドを目指して北浦まで走った。
そこにはKEITECH(馬路久史・岩佐潤史朗)が先行していたが、遠くで釣りを開始。
Dゾーンで掛けるもショートバイトでフックアウト。
それを飯田選手がバスエネミーで獲り直すというミラクルを二度も演じた。
この辺からすでに神がかっている。
その後、本湖に戻りシャローカバーを回り5本揃えた。
「カツカツでしたわ」と菊元選手は語っていた。
二日目はスノヤハラ、和田などのシャローカバーを回り、菊元選手がDゾーン、カバークリーパー+アントライオンという、比較的ライトなラバージグ。
飯田選手がバスエネミーのバックスライドでフォローするというチームワークで、5740gというナイスウェイトを作り上げた。
「今日は楽しかったワ」と菊元選手が語ったのも当然だろう。
余談になるが、初日、蛯原選手がDゾーンで掛けた魚を星野選手がランディングしようとして、滑って落水したことを聞いた菊元選手は、魚を掛けても飯田選手にランディングさせずにズコズコ抜き上げたという。飯田選手はハラハラしてそれを見ていたが、すべて上顎センターど真ん中のフッキングだったという。
菊元選手はトーナメントを引退して久しい。
今ではバサー・オールスタークラシックとW.B.S.オープンだけが勝負の舞台となっている。
それだけに試合後、「何回経験してもスタート時にはワクワクがある。あの雰囲気は日常の生活では味わえない」と感動を新たにしていた。
さらに、「今回は『おったな!』と何回もいえました。結果には満足しています」と満ち足りた表情で語った。
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準優勝の蛯原・星野チームも大会を大いに盛り上げた。
初日は5120gで3位スタートだった。
プラでDゾーンの炸裂を体感し、試合に入っても3/8タンデムウィローでソコソコ釣れたが、「何かが違う」と閃いた蛯原選手、この試合の為にカスタムした1/2SRミニのシングルコロラドを投げれば
ドラマチックフィッシュ!
二日目は朝からそれをエースとして投入し、豪雨が降って水門から茶色の激流が流れ出したタイミングで、そこに投げて3連発! 蛯原劇場を開幕させた。
バスエネミーやC4シュリンプでフォローしていたパートナーの星野選手も「あのヒラメキは凄まじい」と感心していた。
この結果蛯原・星野チームは準優勝。
わずか80g差だった。
だが、優勝は師匠筋の菊元選手。
なので結果には納得していた。
「二日間ノーミスでした。ヒラメキもドンピシャリでした。牛久沼や小貝川での経験が生きました。ベストを尽くしました」と蛯原選手は爽やかに語っていた。
○蛯原英夫選手 TACKLE DATA
タックル1
ロッド:シナジー リッピンフィート
リール:ダイワ タトゥーラZPIチューン
ライン:バスザイルマジックハードR14ポンド
D-ZONE3/8オンス タンディムウィロー
SR-MINI1/2オンス シングルコロラドチューン
タックル2
ロッド:ヘラクレス エアリーフリップ
リール:メタニュームZPIチューン
ライン:バスザイルマジックハードR14ポンド
バスエネミー3.5インチ(ソリッドシナモン)
リグ:ヘビーキャロ
EGタングステンバレットシンカー10.5グラム
タックル3
ロッド:ヘラクレス ファクト511MHST
リール:ダイワ タトゥーラZPIチューン
ライン:バスザイルマジックハードR10ポンド
バスエネミー3.5インチ
(ソリッドシナモン)
リグ:ノーシンカーワッキーリグ、decoy ボディーフック2番
○星野和正選手 TACKLE DATA
タックル1
ロッド:エバーグリーン ヘラクレス HCSC-67MH ブルーマイスター
リール:ベイトリール
ライン:エバーグリーン バスザイル・マジックハードR 14lb
ルアー:エバーグリーン バスエネミー 3.5インチ
リグ:バックスライドリグ(てっちゃんリグ)、テキサスリグ(3.5g)
タックル2
ロッド:エバーグリーン ヘラクレス HCSC-70H ヘラクレス7
リール:ベイトリール
ライン:エバーグリーン バスザイル・マジックハードR 12lb
ルアー:エバーグリーン C-4シュリンプ 3.5インチ
リグ:ヘビーキャロライナリグ(3/8、3/4oz)
3位は初日2115gのビッグフィッシュを含む5930gというウェイトで、トップで折り返したTEAM TATULA(赤羽修弥・平川皓也)チーム。
初日は西浦メインに、
流入河川などでノーシンカー、テキサス、ギル系ワームなどを駆使してウエィトを固め、二日目は石系のストラクチャーでまとめてきたが、ややウェイトダウンが影響して3位に終わった。
○赤羽修弥選手 TACKLE DATA
タックル1
ロッド:エアエッジ671MB-ST
リール:スティーズ1012SV-H SLPセミオーダー仕様
ライン:スティーズフロロモン スター14lb
ルアー:シャッドテールワーム 3.5g TXリグ
タックル2
ロッド:スティーズフランカー
リール:スティーズ1016SV-SH
ライン:スティーズフロロモンスター14lb
ルアー:ブルフラット 5gテキサスリグ
○平川皓也選手 TACKLE DATA
タックル1
ロッド:スティーズ701MH/HFB ハスラー
リール:タトゥーラSV TW 7.3R
ライン:モンスターブレイブZ 18lb
ルアー:デプス ブルフラット4.8
リグ:ノーシンカー
タックル2
ロッド:エアエッジ671MB-ST
リール:タトゥーラSV TW 7.3R
ライン:モンスターブレイブZ 18lb
ルアー:ZBCウルトラバイブスピードクロー
リグ:テキサスリグ
タックル3
ロッド:ベイトロッド
リール:スティーズA TW 1016H
ライン:モンスターブレイブZ 14lb
ルアー:ノリーズ シャローロール
二日目のビッグフィッシュ賞は
Team Nories Tairyo(山本寧・飯島浩城)の1740gが獲得した。
浚渫でショット・ストーミーマグナムが炸裂したようである。
こうして、衝撃の結末で今年のW.B.S.オープン昭和電機カップは幕を閉じたが、上位チームに負けずに話題を提供してくれたチームも少なくなかった。
二日目に5730gという2番目のウェイトを持ち込んだ、メガネのスエナガ(末永宏行・清水佑太・廣瀬祐太郎)は二日間とも浚渫をメインに釣り切った。
初日に5600gで2位スタートしたおにやんま(住吉寿泰・小島貴・内田修央)も一発やるのか!? と大いに見せ場を作った。
二日間10本とフルリミットを達成した
O.S.P稲城会(納谷宏康・村松秀樹)のチームワークも冴えていた。
二日間とも北浦に走ったKEITECHの勝負根性も素晴らしかった。
こうしてみんなが楽しく、真剣に戦ったW.B.S.オープン昭和電機グループカップは、そのドラマチックな幕切れで、大いに印象に残るイベントとなった。
来年はますます盛り上がりそうな感じである。
いまから楽しみにしたい。