灼熱の流入合戦!!
勝者は齋藤寛之・篠崎優希チーム!!
そしてA.O.Y.の栄冠は大石智洋選手の頭上に!!
2024W.B.S.プロトーナメント、第5戦レポート
9月14,15の両日、2024年W.B.S.プロトーナメントの第5戦が行われた。そう、最終戦である。気が付けばあっという間の一年間だった。
参加したのは26チーム52名。あるものはA.O.Y.を、あるものはクラシック権というように、それぞれが異なる目標を胸に秘めて戦いに臨んだ。
9月中旬になっても秋の気配は薄く、相変わらず酷暑に襲われた二日間だったが、台風に災いされる危険性が回避され、無事に開催できたことは喜ぶべきだろう。
強いて言えば二日目に吹いた強い南西風が、あるチームには意中のエリアへのエントリーを躊躇させたぐらいか。稲渋などの影響もあったが、それほどドラスティックなものではなかった。
そんな状況で浮き彫りになったのが流入河川。まだまだ夏真っ盛りの霞ヶ浦・北浦ゆえ、流れ川に救いを求めるのは定石だろう。
具体的には恋瀬川、小野川、花室川、そして北利根川だ。
とくにプラで魚のストック量が桁違いだと喝破された恋瀬川の人気は高く、初日、二日目とも数チームが鎬を削る展開となった。
結果的に優勝から4位までが流入組、本湖組では1チームがお立ち台に立っただけだった。
初日トップで折り返した今井・小石チームは花室川、2位の山本・角田チームは北利根川、そして3位の大石・中川チームは小野川、4位の富村・佐藤チーム、5位の斉藤・篠崎チーム、さらに7位の草深・庄内チームも恋瀬川という分布だった。
2日目にも流入の人気は衰えず、上位チームを輩出する結果となった。
前週のプラで恋瀬川の国道下にベイトの固まりを発見、ためしにルアーを投げてみればバイトの多発に驚いた齋藤寛之・篠崎優希チームは迷わず東浦を抜けて恋瀬川に。狙いのスポットで釣りを初めれば齋藤選手のサイコロラバーにバイトが。それはバラすが、後ろで篠崎選手がキロアップを掛け、続いて2180gという怒涛のビッグフィッシュを獲り、2本ながら3070gというスコアを作った。ネタはオリジナルのセントが香る小型ホッグ。
二日目は風の予報にビビった齋藤選手だったが「行かないで後悔するよりは…」と恋瀬に直行。国道下からJR鉄橋までの間で釣りを始めれば順調に4本ゲット。この日は齋藤選手のHPシャッドテール、ドライブビーバー3インチのヘビダンが冴えた。
安全を考慮して少し早目に帰路についた齋藤チームだったが、大橋を潜れば結構な波が…。そこに救世主として現れたのが岩井・出村チーム。穏やかな航路を作ってくれて事なきを得た。
リミットメイクを狙って桜川に入り、沈み物を狙った篠崎選手のダウンショットが5本目をゲット。最終日トップの3495gを持ち込み、暫定トップ席で待っていた大石・中川チームに引導を渡した。
特筆すべきは篠崎選手の活躍で、今年3勝! 文句なしにPOY(パートナー・オブ・ザ。イヤー)に輝いた。
準優勝は大石・中川チーム。
「年間暫定1位に付けていたので優勝などを狙わず、とにかくリミットを揃える釣りをしよう」と指名したのが得意の小野川。圏央道付近であらゆるスポット、あらゆるリグを動員して魚に口を使わせた。初日5本、二日目6本の魚を獲り由一のフルリミットチームとなったが、すべて異なるリグ、異なるルアーだったそうだ。
「とにかく手を変え品を変え、考え得る全ての釣りを行いました。したがってパターンというものはありません。いずれ動画がUPされると思いますので、よくわかると思います」
大石選手は試合後、こう語った。
パートナーの中川選手は「大石選手の後ろではペンペン草も生えない。しかも風が強かった二日目はキャストもままならず苦労しましたが、なんとか1本貢献できてよかったです」と一応納得していた。
そして大石選手の準優勝は、同選手にA.O.Y.の栄冠をもたらした。
3位は初日1フライトの1番というアドバンテージを生かして恋瀬川にカッ飛んだ富村貴明・佐藤善幸チーム。佐藤選手が得意のワムワムフレアーを炸裂させ、富村選手がドライブショットのノーシンカーを駆使して4本。帰りに花室に寄り、ドライブシャッドのライトテキサスでリミットを達成。
二日目は小野川上流に入り、佐藤選手がハイピッチャーでいきなり2本! さらにもう一本! しかし富村選手も1本獲って合計4本。3060gというスコアを作った。
「もう一本が遠かったです」と富村選手は悔しがったが、前回の2位に続いての入賞は立派だろう。
佐藤選手は前回優勝に続いての連続お立ち台。ヒゲスタイルもますます冴えまくっている。
4位は初日恋瀬川で3本2840gを持ち込み、二日目は小野川と浚渫で勝負をかけたが、最後の最後に浚渫で獲った1805gのみに終わった草深幸範・庄内靖チーム。
そして5位は二日間本湖・西浦を回り、二人で役割分担に徹した小島貴・廣瀬祐太朗チーム。本湖にこだわってスコアを作った結果は称賛に値しよう。
こうして話題も豊富に今年の最終戦は終了した。なかなか面白いゲームだったと思う。
そして年間ランキングは以下のように決定。ボーター上位12名の選手と、ノンボーター1位の選手を加え全13名で、11月2,3の両日、W.B.S.カスミプロクラシックが争われる。
11月には状況はかなり変わっていると思われるが、クラシックに相応しいナイスゲームを期待したい。
レポート 大和小平