その154 自己防衛
実るほど首を垂れる稲穂かな……実って来たよ。
青々とした田園風景が徐々に変わりつつある。
稲穂が膨らみ始めたのである。
グリーン一色だった田圃が稲色に変わりつつある。
やがて薄茶色へと変化し、刈り取られて行く。
農村の四季折々に触れながら魚釣りを楽しんでいる。
あと何年、こんな釣りが楽しめるのだろう?
それにしても、釣り人ならば天候の急変には気をつけたい。
一昨日の竜巻注意報が発せられたにもかかわらず、
魚釣りをしている人が多かった。
黒雲が迫って来て、神鳴りがゴロゴロ鳴っていると言うのに、
竿をたたもうと言う人はいなかった。
カミナリ嫌いの俺は早々に片付けたがね。
こんなベタベタだった霞ヶ浦であったが、
その後の積乱雲の接近で様相が一変した。
で、こんな強風と雷鳴の下にもかかわらず、
黙々と釣りをしている人たちがいた。
事故にならなきゃいいのになぁ……と思ったが、
注意はせずに俺は家に逃げ帰った。
我が身は自分で守るのだよ。判ったね。