その160 砂浜の効果
台風11号は、日本の各地に大きな爪痕を残した。
特に、九州四国などの西日本地区では、
未曾有の大雨による水害を招いた。
被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
台風襲来の前日と当日、俺は霞ヶ浦のパトロールに出掛けた。
状況がどうであるか見定めておくのが今後の対策になるからだ。
また、ぐるりを取り囲む堤脚水路のポンプが、
きちんと動いているのかを確認するパトロールでもある。
パトロールの範囲は美浦村大山から阿見町大室までの
20kmほどである。
この範囲であれば、ジジイ一人で何とかなる距離だからだ。
台風襲来前日は北寄りの風で、見廻りエリアである大山では、
対岸の麻生方面からロングストロークの風が吹いていた。
コンクリートで塗り固められた垂直護岸では、
寄せ来る波が護岸に打ちつけられた反動で返し波となって、
どうしようもない状態であった。
一方、砂浜で緩傾斜になっている湖岸は、
寄せ来る波を傾斜がその力を吸収して、平均的にしている。
つまり、砕け散るような波はないってことだ。
波も一定方向で規則正しく作用している。
こんな光景を見ると、砂浜の重要性が良く理解できる。
しかし、どうしてもコンクリート護岸にしなければならない所もある。
風波による浸食で築堤が壊され、住民に害をなす場所には、
相応の対処が必要なのである。
それぞれの特色を生かして、共生してい行くことこそが重要なのである。
それにしても凄い風だったよ。