Pro-Classic23 Report


 

突き抜けたエスパー!

 

草深幸範が魅せた

クライマックスな12kgオーバー!

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2014W.B.S.クラシックレポート

 

毎年、筆舌に尽くしがたいゲームを見せてくれるW.B.S.プロクラシック。

霞が浦・北浦という広大な舞台で、

狭き門を潜りぬけた男たちが繰り広げる戦いは、

まさに筋書きのないドラマ。

今年も素晴らしい感動を与えてくれた。

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私がこのクラシックを観戦するようになってから、

何年、経つのだろうか?

吉田幸二氏に誘われてW.B.S.に関与するようになって、

すでに15年近く経過した。

あの時、私には様々なオプションがあった。

しかしクラシックからの帰り道、私はいつも思う。

W.B.S.に拾ってもらって幸せだったと。

それほどクラシックは毎年、尽きせぬ心の満足を与えてくれるのだ。

でもまあ、私もそろそろ限界ですかね。

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まっ、それはともかく、色々あった今年のクラシック。

台風18号による大増水。

続いてやって来た19号にはビビらさせた。

超ド級の台風という脅かしに、最悪は中止も考えた。

しかし、神はその19号のスピードを遅らせるという洒落た行動に出た。

おかげで、初日こそ東北系の強い風が吹いたものの、

2日間ともまずまずの天候。

少し寒いが10月はあんなもの。

誰も文句はいえない。

気温、水温は可もなく不可もなし。

そんな状況だった。

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だが、試合中に急激に下がった水位には、

全選手が翻弄された。

あれよあれよという間に、グングン下がっていったのである。

これが選手を苦しめた最初の要因。

 

もう一つは、クラシックは勝たなければ意味がない試合だということ。

全選手がそれを知っているから、当然のように勝ちに行く。

そのためのプランを展開する。

だから無理が生じる。

普段ならそこそこのウェイトを固められる釣りでも、

勝てるところまで行ける確信がないと意味がない。

それがクラシックを一段と難しくさせるのである。

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だが、無理はやっぱり無理。

結局は置かれた状況の中で、自分の釣りを進めるのが一番なのである。

 

そんなゲームをしたたかに展開したのが草深幸範選手。

プラでは前述のように強烈な増水に一時は戸惑ったが、

冷静に各エリアをチェックしてみれば、

シャローもディープも有望。

タイミング次第でビッグが釣れる沖も5本となるとキツイ。

ゆえに、どちらと決めずに二日間、

風を見ながら沖とシャローを打っていくプランに決定した。

 

初日は朝一に霞ケ浦東岸に行ってシャローで一本獲ったが、

それっきり。

ていうか、40cmの減水に唖然。

魚もシャローから消えた。

そこで西の洲に飛んだのが7時半。

風が吹き始めたタイミングである。

最初のドラマが起こったのはそこだ。

ショットオーバー2に立て続けにビッグフィッシュが来たのだ。

結果的に初日のビッグフィッシュ賞を獲得した1940g、

そして少し落ちるが、それでも1.5kgフィッシュが連発したのである。

「ヨッシャー!」の雄叫びが霞ケ浦に響いたのも頷ける。

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しかし、今回の草深選手が冴えていたのはその後だ。

それだけビッグフィッシュが続けば、

普通はもう少しそこで粘るだろう。

まだ3本しか持っていないからだ。

だが、草深選手はエレキを上げた。

風が強くなったことも一つの理由だ。

だが「シャローも釣れる」と確信したからこそ、移動を決意したのだ。

 

そしてプラで良かった北利根の葦で1本。

8時半水門開放で「流れを釣れば有望」との判断が大正解で、

一時間遅れで流れ出したタイミングで釣れた。

その後、霞ヶ浦本湖東岸に戻り5本目、6本目を釣り入れ替え。

これで気が楽になった草深選手は2~3時間を翌日のパトロールにあてる。

帰着前に「そうだ桜川に行こう」と行ってみれば、

スナッグレスネコリグに1300gフィッシュが来るという、

まさに神降臨。

6380gという、ぶっちぎりのウェイトを叩き出したのである。

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ディープ、といっても2メーターだが、

それだけでなくシャローも釣るという、

一つの釣りにこだわらない変幻自在な釣りが

ビッグウェイトの要因といえよう。

リグも適材適所だ。

沖のブレイクはショットオーバー2。

シャローはドライブスティック4.5とファットイカのノーシンカー。

食いが良くない中で、ノーシンカーに着目したのはガーサス! サスガである。

葦の手前はドライブスティック、奥はファットイカという使い分けもドンピシャリ。

帰着間際の桜川フィッシュはドライブクローラーのスナッグレスネコリグで釣るという、

まさに実演販売。

多彩なエリアと技が冴えまくった一日だった。

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二日目も草深選手は冷静だった。

初日の桜川フィッシュがヒントになって、同じ場所に行けばすぐにバイト!

しかしこれがラインブレイク。

逃げ切りが脳裏をよぎる選手にこのトラブルは痛い。

朝の一本を逃した落胆は小さくない。

 

しかし草深選手は「おっ、魚いるじゃん!」とバラシを前向きにとらえた。

すると神様はご褒美に一本の魚を恵んでくれた。

リグは初日と同じドラクラのスナッグレスネコリグ。

しかし、そこまで。

9時の時点で一本。

限界を感じた草深選手は「よしっ」とばかり西の洲へ。

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空はいい感じに晴れたり曇ったり。

初日ほどではないが、そよ風が吹いている。

いや、結構吹いていたかも。

行ってみれば、初日にエリアをシェアしていた大藪厳太郎選手が、

草深選手のスポットを空けてくれているではないか。

私がW.B.S.に魅せられているのは、こういうところである。

初日に草深選手がボコったスポットを尊重してくれていたのである。

大藪選手のこの行為は、フェアプレー賞に値する。

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雰囲気としては草深選手に釣ってくれ、という感じだったが、

その通りに5投目で1600gフィッシュが来た。

これで推定2kg。

その後、どうしたかというと、草深選手は粘らずに移動を決意。

「いままでシャローを疎かにしていましたが、

それでは勝てないと、シャローを勉強し直しました。

同時にこのクラシックは500gでもいいからリミットを揃えようと、

そのためにもシャローを攻めようと考えていました」

そんな考えで北利根に行けばすぐにナイスキーパーが。

これで3本。

 

そして霞ケ浦東岸に行ってみればさらなる減水に愕然。

時計を見れば11時。

桜川に行くか西の洲に戻るか迷ったが、

ふと美浦沖を忘れているのに気づき、

閃きを信じて直行。

「おっ、水はいい」

ショットオーバー2を投げれば、ハイ、来ました。

そこで水がいい時はキャロが効くのを思い出し、

ヘビキャロを投入すれば1400gフィッシュが来てついにリミットメイク。

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かなりの確率で勝利を確信した同選手は、

早目に新港近くに戻り、待機。

何が起こるかわからないのがバストーナメント。

調子に乗って遠くに居続け、エンジントラブルが起こっては元も子もない。

何かあっても、エレキで戻れる地点まで戻ったのは大人の判断だろう。

 

こうして、草深選手は二日間12040gという破格のウェイトで

クラシック2勝目を果たした。

 

前回の勝利がちょうど10年目。

あの時は無我夢中の勝利だったが、

今回の勝ち方は正真正銘の横綱相撲だった。

 

沖の釣りにこだわらずシャローも含めた総合戦略が勝利につながったといえるが、

本人も「今年のクラシックでは、少し成長した自分が居た」と冷静に分析していた。

 

2日間、やることなすこと上手く行ったようだが、

それも日頃の練習がもたらしたご褒美といえよう。

素晴らしい完全優勝だった。

 

準優勝は初日、霞ケ浦本湖東岸でスピナーベイトパターンで3本獲り、

二日目は小規模流入河川を回り、

キッカーフロッグで獲った1940gを筆頭に、

4800gを持ち込んだ蛯原英夫選手。

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三位は「勝利」の二文字を追いかけて浚渫にチャレンジした清水綾選手が入った。

ちなみに二日目のビッグフィッシュ賞は

西浦のマンメイドでコンバットクランク120を投げ倒した小島貴選手の

1980gが獲得した。

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こうして、結果的には草深選手のぶっちぎりで終わった今年のクラシック。

だが、その差は紙一重。

冒頭に述べたように、

アタマを獲りに行ったから、ダメな時はダメ。

そんな腹の座ったゲームを進めて討ち死にした選手たちの潜在能力は、

いずれ花開くであろう。

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とにかく、このクラシックは全選手が精一杯戦った、

今年のベストゲームだったことは確かだ。

 

最後に、今回は優勝者にスポットを当てて書かせてもらったが、

これも勝たなければ意味が薄いクラシック故の書き方とご理解いただきたい。

 

それでは皆さん、

今年一年、お疲れ様でした。

私も疲れました。

 

(レポート 大和小平)

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草深選手TackleData

Tackle1

ROD:DAIWA STEEZ 731MMHRB-LM スカイホーク

REEL:DAIWA ZILLION LTD J DREAM 6.3R

LURE:ショットオーバー2

LINE:サンライン FCスナイパー12lb

Tackle2

ROD:DAIWA STEEZ 661MFB-SV ウェアウルフ

REEL:DAIWA アルファス 105HL KTF

LURE:ドライブクローラー スナッグレスネコリグ

LINE:サンライン シューター10lb

Tackle3

ROD:DAIWA STEEZ プロト

REEL:DAIWA STEEZ 100SHL SVスプール

LURE:ファットイカ ノーシンカー

LINE:サンライン FCスナイパー14lb

Tackle4

ROD:DAIWA ブラックレーベル BL681MHFB

REEL:DAIWA STEEZ SV 7.1

LURE:ドライブスティック4.5 ノーシンカー バックスライドセッティング

LINE:サンライン FCスナイパー13lb

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蛯原選手TackleData

Tackle1

ROD:EVERGREEN  HCSC-72X スーパーエクスプロージョン

REEL:ベイトリール

LURE:キッカーフロッグ

LINE:バスザイル PE55lb

Tackle2

ROD:EVERGREEN  HCSC-67MHR レッドマイスター

REEL:ベイトリール

LURE:Dゾーン 3/8

LINE:バスザイルR 14lb

Tackle3

ROD:EVERGREEN  HCSC-75H エアリーフリップ

REEL:ベイトリール

LURE:ダブルモーション ゼロダン7g

LINE:バスザイルR 16lb

メインエリア:本湖の杭、リップラップ、ベジテーション

今回の肝:シャローゲーム

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清水選手TackelData

Tackle1

ROD:ダイコー アディクト C62ML

REEL:ベイトリール

LURE:-ホールショット4.5in ネコリグ2.7g

LINE:12lb

Tackle2

ROD:ダイコー アディクト C65MLM

REEL:ベイトリール

LURE:ディプシードゥー3

LINE:12lb

メインエリア:テトラ、石積み、ベジテーション

今回の肝:ホームランを狙いに行ったらポテンヒットになってしまいました。左手を負傷していたので、すべて左巻きのリールで釣りました。

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小島選手TackleData

Tackle1

ROD: EVERGREEN HCSC-68MG オセロット

REEL:DAIWA TATULA 100HL

LURE:EVERGREEN コンバットクランク120 キンクロ

LINE: EVERGREEN バスザイルR 14lb

メインエリア:西浦

今回の肝:ストラクチャーにタイトにタイトに! 風のタイミング

 

 

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