WBSプロクラシッ23プレスアングラーレポート
草深幸範選手
2014年10月12日(土)
台風18号が去り、続いて19号が接近しているという谷間の期間、まだ朝薄暗い中各選手のフライト順が決まる。
まずバスボートは自体の乗船が初めてだった自分には、選手とは違う緊張を抱きながら、準備を進めるボートへと乗り込む。
その選手は、かねてより動画などで拝見していた草深選手である。
自分が好きな釣り方の解説をされていることもあり、今回希望選手に名前を挙げさせて頂いた。
プレスレポートが決まった時は素直に嬉しかった。
草深選手のフライト順は13番。
初バスボートの為、基本的な乗り方を聞きながら(笑)フライトの順番を待つ。
そして草深選手の「行くよ」の合図と共にスロットルがどんどん開放されていく。
「外は荒れているかも」の言葉の通り、沖へ出るごとにうねりと共にボートが激しく跳ねた。
正直体がこわばって大会後体が痛かったのはここだけの話である。
6:05
ポイントである東岸へ一直線で向かい、先行者もいない中釣りが開始となった。
まず手に取ったのはドライイブスティックの4.5inchのバックスライドセッティングであり、早速自分にとっての本命が登場であった。
そう思い感動に浸っていると、その15分後には待望の1本目!
ピックアップ時に追ってきた魚を見るや、同じポイントへ投げ直してフックアップ。推定700gほど。
朝一に獲得できた魚は、サイズよりもひとまずの安心感の方が大きいのであろうと感じた。
ドライブスティックを使用する際のラインは、強度とルアーの動作を考え、13lbを選択しているとのこと。
通常なら13lbはあまりラインナップにない場合も多く、12lbか14lbを選択しそうなものだが、やはりひとつひとつの気遣いを感じることが出来た。
その後移動を行う中で、スピンテールフロッグを取り出す場面もあり、この時期条件が合えば、まだフロッグの釣りも可能だという。
(翌日、蛯原選手がフロッグでビッグフィッシュをゲットされ、自らの固定概念の存在に気づかされた)
時間にして実調開始から、約1時間。西ノ洲エリアへとボートを進めた。
ピンポイントでのバッティングではないが、その時同エリアには大藪選手の姿が見えた。
7:33
時間にしてエリア内での実調開始から20分ほど。
浚渫を狙うリーリングにぐっと重みが乗る。
慎重なやり取りの末に上がってきたのは推定1,500gのナイスサイズ!
ポイントの水深にもマッチした、ショットオーバー2での1本。
ハンドランディングで無事にキャッチした瞬間、雄叫びが上がった!
話を伺っていると、狙っているのは実にピンポイントで、このような浚渫エリア特有の地形(ショルダー)を狙っているとのことであった。
現在は魚探やGPSの精度も優れ、ポイントについては誰もが知っていて、遠目から見ても、どこを釣っているのかが分かってしまうとのこと。
特に今回のように霞ヶ浦に精通しているプロ同士の戦いとなると、シークレットポイントなどもほとんどなく、状況判断が何よりも大切であることを学んだ。
7:43
その10分後には、再びショットオーバー2をリーリングするロッドに重みが乗る。
スティーズのスカイホークが絞られる。良いサイズであることはその時点でも明らかだった。
いなすように慎重にやりとりを行った後、手にしたのは推定1,800gオーバーのキッカーフィッシュ!
その時点で二人のテンションは上がりまくりである!
草深選手も武者震いが止まらない。
その後徐々に風は強まり、操船が出来る限りギリギリまで粘った後、状況を判断し移動を行う。
細かい移動を含めつつ、1時間ほどを過ごし、北利根の水門の開閉時間による流れを意識し、ボートを進める。
アシ際へテンポよくファットイカのバックスライドセッティングを打ち込む。
ドライブスティックと、ファットイカの使い分けは、ブッシュ奥などの障害物に絡めて落としていく際は、
ドライブスティック特有の動きが弱まってしまうため、比重の高いファットイカを使用するとのこと。
その後、北利根、本湖東岸などでリミットメイクからの、入れ替えまでを行う。
ヒットルアーはすべてファットイカであった。
そして、この日の最後のポイントとして選んだのが、桜川である。
水質は濁りが少し入っている状況。
14:24
桜川を上がっていく中で赤羽選手とすれ違い、ドライブクローラー4.5inchのスナッグレスネコでバンクから少し離れたストラクチャーを狙っていた時だった。
不意にこの日7本目となる約1,200gのバスをキャッチすることが出来た。
この時すでに翌日のプラクティスを兼ねて流していたため、草深選手も少し驚いていた様子。
そして魚を入れ替え、万全の態勢でウェイインのタイミングを控え、初日を終わる。
2014年10月12日(土)
初日の最後を桜川で終え、そのイメージを元に桜川へ入った2日目は、巡分満帆とは言えない滑り出しとなった。
5:33
ドライブクローラー4.5inchのスナッグレスネコでアプローチをしていく中で、待望の1尾目をフックアップ!
かと思いきや、惜しくもストラクチャーであった鉄杭に擦れてアワセ切れしてしまった。
そんな時選手ならモチベーションを落としてしまいそうなところだが、自分の存在も意識して頂き、
前向きな言葉でその日のモチベーションを保つのである。
その後ドライブクローラーをメインに、桜川を上がっていくもなかなかバイトには巡り会えず、354号線の橋脚の辺りで船を引き返す。
7:25
戻る道中もバンク際のストラクチャーにタイトにドライブクローラーをキャストしていく。
すると惜しくも先ほどバラシてしまった杭周りで待望のヒット!
難なく500gほどのバスをキャッチした。
当初描いたプラントは少し異なったが、待望の1本をゲットしたこともあり、ローライトの状態で入りたかったという西ノ洲へとボートを向けた。
8:56
そして、ポイント到着からおよそ5分ほどでまたもスカイホークがグインと絞られる!
昨日と同様にショットーバー2をショルダーに絡めつつリトリーブをしている最中で、上がってきたのは1,500gほどのナイスコンディションのバスであった。
その後再び沖の風が強まり、北利根へと移動した先では、ファットイカのバックスライドセッティングで3本目となる800gほどを追加した。
流れがなく早めの見切りを行う。
ここからロングドライブで東岸や霞ヶ浦大橋の辺りを探るも、水位も落ちていてアタリはなかった。
桜川のシャローを狙うという考えもあった中、まだ今回入っていなかった美浦へと船を進めた。
12:04
西ノ洲と同様に浚渫を狙うショットーバー2に4本目となる魚がヒット!
ピックアップの途中で喰ったキャットフィッシュのような引きに半信半疑になりながらも、無事1,300gほどの魚をキャッチした。
12:31
同じエリアをパワーホグのヘビキャロで同じく1,300gほどの魚をキャッチ!
これで2日目のリミットメイクが達成された。
1日目のリードを保ちながらも、とにかく5本揃えることに挑戦したことが形になった。
その後、緊張から一気に安堵に代わり、万全期して早めの帰着を決意することとなった。
結果、初日6,380g 2日目5,660g でトータルウェイトが12,040gという結果で幕を閉じた。
年間成績5位という結果に対して、どうしても取りたかったクラシックへの意気込みは草深選手本人も並々ならぬものがあったであろうと思う。
その中で手にした今回の優勝はとても価値のあるもので、同時に翌年行われるBasserAllStarClassicへの出場権も獲得した。
今回同船させて頂いて、基本をベースとした釣りの中でも、細かい気遣いや意識を間近で見ることが出来たことは、そしてすべてが新鮮で刺激的で自分にとっても大きな経験となりました。
最後にこのような機会を与えてくださったWBSスタッフ並びに選手の方にはとても感謝しております。
稚拙なレポートではありますが、これも一つの経験となりまた次に活かすことが出来ればと思います。
ありがとうございました。
■プレスアングラー 中川雅也