2015年J.L.B.A.最終戦
森田友子&小野恵子チームが優勝
Q.O.Y.の栄冠は森田友子選手に
国内唯一の女性だけのバストーナメントJ.L.B.A.の第3戦が、9月27日(日)、マルトボートをベースに開催された。
大きな被害を関東にもたらした台風18号の影響により、霞ヶ浦水系は驚異的に水位が上昇していた。
その後水位は徐々に落ち着いてはきたものの、試合の前々日にも雨が降った霞ヶ浦周辺。日頃減水傾向が著しい近年の霞ヶ浦水系を思えば、水位はやや増水傾向だった。
そのため通年のパターンが通用しないのでは?
という不安が選手たちのなかにあったようだ。
数日前から練習に入っていた選手たちは、口々に桜川や花室川など秋に実績のある河川が濁りが取れず「釣れない」といっていた。
また長年湖を見てきたマルトボートの鈴木氏も、当日の水質や水温、風向きやベイトの動きを考えると、「5本釣ってくるのはかなり厳しい状況だろう」と語っていた。
午前6時。風は弱いながらも早朝から小雨が降るコンディションのなか、4艇のボートは、目指すエリアに向かっていった。
しかし、河川にバウを向けたチームは皆無。ファーストポイントを見ると、みな本湖をメインに釣りを組み立てる作戦のようだった。
そんななか、1,430g(3フィッシュ)をウエイインし、3位になったのは佐藤真理&後藤さわ子チーム。
ボーターの佐藤選手は連休を利用して2日連続でプラに入り、本湖で手ごたえを掴んでいたという。
メインにしたのはNEWエリアと呼ばれる土浦港入り口にある浮き漁礁のポイント。
佐藤選手がO.S.P/ブリッツMRでブレイクについていたバスを2本キャッチ。
パートナーの後藤選手も同エリアで1本、3.5インチGテールのダウンショットリグで釣った。
「移動しようとするとポロッと釣れる感じだったので、本湖に出るのが遅くなってしまいました。3本釣ったあとに石田や境川、花室川河口~大岩田に行きましたが、その後追加できなかったので悔いが残ります」と佐藤選手はコメント。
後藤選手は「秋の釣りはあまり経験がなかったので、勉強になりました」と語った。
続いて2位になったのは、見事リミットメイクを達成して3,150gを持ち込んだ、三村陽子&水村真由美チーム。
ボーターの三村選手は仕事の都合で練習時間が取れず、ノープラクティスで試合に臨んだという。
「秋が深まってきていたので、沖のオダや杭にバスがついているのでは、と思いました。そこでマルト前のハードボトムやオダを、魚探を見ながら探っていったら、水村さんが朝イチにO.S.P/ドライブクロー4インチの7gテキサスリグで1本目を釣ってくれたんです」と三村選手。
マルト前から土浦港の浮き漁礁エリアに移動すると、水村選手が杭で、2本目をゲーリーヤマモト/5インチプロセンコーのダウンショットリグでキャッチした。
その後、境川に入っていこうとしたが、河口に鯉釣り師がいたため予定を変更し沖の囲みオダへ移動。オダの外側で水村選手が3本目をテキサスリグで釣った。
再びマルトボート前のハードボトムエリアに入ると、三村選手がビッグフィッシュとなる920gの4本目をキャッチ。ヒットルアーはバークレイ/パワーホグのダウンショットだった。
そしてマルト前のジャカゴで、水村選手がテキサスリグでリミット達成。厳しいなかで見事5本を揃えてのウエイインとなった。
「今日は三村さんと飼い猫の話しをしながら、釣りをしていました。こんなふうにお喋りしながら釣りができるのでJ.L.B.A.は楽しいです。ちょっと悔しい気持ちもありますが、今日は5本揃えることもできて最高でした(笑)。また来期も頑張ります!」と水村選手は語ってくれた。
そして優勝に輝いたのは森田友子&小野恵子チーム。
3,480g(5フィッシュ)をウエイインし、第3戦を制した。
森田選手は連休中に1日プラクティスに入り、河川を中心に見て廻ったがバスからの反応は得られなかったという。そこで当日は流入河川を捨て、本湖メインで釣っていこうと思っていたそうだ。
「プラでバスを釣っていなかったので、別日に練習してバスを釣っていた恵子さんのアドバイスを聞き、朝イチはマルト前を狙いました。ジャカゴの際で1本バラシたあと、土浦港の浮き漁礁エリアに移動しましたが、釣れませんでした。そんなとき、根掛りを外していた恵子さんのロッドが折れてしまったんです。これは大変! 優勝して賞品のロッドをもらわなくちゃ!という使命感が沸きました(笑)」と森田選手。
午前8時、アングラーの密度が濃いマルト前やNEWエリアを見切り、石田エリアへ移動した。
「昨年の第3戦、雨の影響で河川が非常に濁って釣れなかったので、石田エリアに行き、4本のバスをキャッチしたのを思い出したんです。移動して石田のジャカゴ周辺の水を見るととても澄んでいて状態がよかったし、増水でシャローが生きてくると感じたので、まずシャッドをキャストしてみました」と森田選手。
直後、ダイワ/Dシャイナーに、ビッグフィッシュとなった920gのバスがバイトしてきたのだ。
その後森田選手は、ジャカゴの際やジャカゴとジャカゴの間を、ゲーリーヤマモト/レッグワームのダウンショットリグや、リトルレインズホッグのダウンショットリグで探っていくとバスをキャッチできたという。
その後、小野選手もジャッカル/ウォブリングのダウンショットリグでバスをゲット。午前11時半頃にリミットを達成し、5本をウエイインした。
「5本目がライブウェルに入った瞬間、パートナーの恵子さんと『キャーッ♪』と喜びの声をあげながら固い握手を交わしました。厳しいコンディションでのリミット達成だったので、本当に嬉しかったです。こんなふうにパートナーと喜びを分かち合えることがJ.L.B.A.の醍醐味だと、また再確認しました!」と森田選手がコメントした。
「今日は本当に、森田ちゃんの底力を改めて感じました。楽しくおしゃべりしながら釣りができて、優勝もできたのでよかったです。サポートメーカーやスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。また来期も頑張ります!」と小野選手は語ってくれた。
●森田友子選手 Tackle Data
Tackle①
Rod:ダイワ/スティーズ631MLFB-SVスカイレイ
Reel:ダイワ/リベルトピクシーPX68(SLPフィネスチューン)
Line:ダイワ/フィネスブレイブ8ポンド
Lure:ゲーリーヤマモト/レッグワーム
Rig:5gダウンショットリグ
Tackle②
Rod:ダイワ/スティーズ631MLFB-SVスカイレイ
Reel:ダイワ/リベルトピクシーPX68SPR
Line:ダイワ/フィネスブレイブ8ポンド
Lure:レイン/リトルレインズホッグ
Rig:5gダウンショットリグ
Tackle③
Rod:ダイコー/コブレッティーRC561/004フリッカー
Reel:ダイワ/イージス2506
Line:ダイワ/フィネスブレイブ6ポンド
Lure:ダイワ/Dシャイナー
●小野恵子選手 Tackle Data
Tackle①
Rod:ジャッカル/ポイズンヘリテージ コンペティスト62UL
Reel:スピニングリール
Line:ジャッカル/レッドスプール6ポンド
Lure:ジャッカル/ウォブリング2.5インチ
Rig:2.2gダウンショットリグ
この結果により、今年のQ.O.Y.は森田友子選手に決まった。
森田選手はバス釣り雑誌のライターをしており、取材で霞ヶ浦を訪れることも多いという。
「取材でお世話になっているプロアングラーの方々のお話を参考にさせていただくこともあり、いつも感謝しています。もちろん、自分とプロの方々との非常に大きな差はいつも感じていますが、トーナメントは楽しいです。今日もバスを釣ったあと、膝が震えていました。この感動が味わえるのがトーナメントの素晴らしさだと思います。今後、もっとメンバーが増えるように努力していきたいです」。
いつでもJ.L.B.A.は、釣り好き女性の参加を待っています。
船舶免許がない人はもちろん、初心者の方も大歓迎です!
プライベートでの釣りももちろん楽しいですが、トーナメントで釣れた1本は想像以上の感動をもたらしてくれますよ。
来年もまたJ.L.B.A.は開催しますので、ぜひバストーナメントに興味のある女性は参加してみてください。きっとかけがえのない、ひとときを過ごすことができるはずです。
(レポート:堀井ゆう子)