その503 無残、哀れ・・・小さな命
ああ、またしてもアメリカナマズの放置である。
通りかかると、7~8羽のカラスが飛び発った。
その場所に目をやると、4~5匹のアメリカナマズが放置されていた。
釣り上げたアメリカナマズを、
コンクリートの平場に放置している釣り人がいたので、
傍に近づいて声を掛けた。
「これ捨てちゃうんですか?」。
「おう、アメリカナマズを殺すことで、
俺は霞ヶ浦の在来種や生態系を守っているんだ」。
釣り人からは、常套句のように返ってくる。
馬鹿かお前は!・・・・・・と、心の中で叫びつつ、
「いやぁ~、捨てられるとこの近辺でゴミ拾いをしているときに、
臭くてたまらんのですよ。それと蝿が増えちゃってねぇ。
さらに悪いことは、カラスや野良猫の餌になって、
奴等が増えちゃうんですね。
なので、出来ればお持ち帰りをしていただきたいんですが・・・?」。
「じゃ、帰る時に水に戻すよ。それなら良いんだろっ!」。
と怖い顔で応えてくれた。
もうこれ以上は言うまい・・・・・・と、心の中で呟きながら、
「宜しくお願いしま~す」。
と、言ってその場を去った。
死んだ魚を水に戻しても大した役には立たない。
彼等が水中で生きていればこそ、
彼等の内臓で化学物質を無毒化に出来るんだよ。
それにしても、とんだ生態系論者である。
アメリカナマズを陸上に放置して行くことは、
蝿を増やすことで公衆衛生上大変によろしくない。
同時に、野生生物に餌をやることは生態系の破壊である。
どう転んだって生き物を放置して行く様は、
決してスマートとは言えないのである。
相変わらず霞ヶ浦には人間の出したゴミが横行している。
で、中にはこんな生ゴミも後を絶たない。
水中で生きていれば、ゴミにはならにものを・・・・・・。
おいっ、その釣り人、生き物を捨てて行く釣り人、
お前こそが最大で最悪の生ゴミだ!