その650 生きている役目
この世には似て非なるものが多数存在している。
三輪素麺と揖保の糸、チャーハンとピラフ、
ハゲと坊主、神父と牧師、ピーマンとパプリカ、
饂飩と炭団などなど、それは見た目だったり、
読み方だったり、種類だったりするんだな。
俺たちに身近な水生動物にも、似て非なる物がいる。
それが、モノアラガイとサカマキガイである。
どれがモノアラガイで、どれがサカマキガイか判るかな?
意外と難しい。極めて難問ではないだろうか。
一番右端のがモノアラガイで他はサカマキガイだ。
渦を巻いている貝殻の先端部を見ると良く判る。
サカマキガイが水槽の中のマツモの新芽を食べていた。
食ったり、食われたり、そしてその消化物を栄養にしたり・・・。
全ては巡っている。自然界では当たり前のことだ。
その流れや巡りを遮断しているのが、俺たち人間である。
だから、外来生物退治に血道を上げるんだな。
そんな話を耳にすると、俺の血圧が上がるんだな。
上がった血圧を下げるには釣りに行くしかないね。
それにしてもサカマキガイ、朝から晩までズーッと
物も言わずに水草を食っている。
食って生殖して・・・が彼らの仕事だからなぁ。
死ぬまで食い続けるんだろうなぁ。
そんな彼等を観察していて、ブルーギルの好物の一つが、
このサカマキガイであることを思い出した。
そうか、ブルーギルはサカマキガイの大繁殖を、
制御する役目も担っていたんだな。
生き物は必ずどこかで役立っていることを再認識した。