その662 自然再生
自然再生の名のもとに霞ヶ浦が改変されて行く・・・。
と思う人は多いだろう。
でもね、物事は何でも良い方に考えないと思考が滞るし、争いを招くよ。
水は滞留すると腐るんだ。で、異臭がするようになる。
それは脳も同じだと思う。
西浦中岸で湖岸の改変を行っている。
自然再生事業である。
霞ヶ浦の湖岸線に植生帯を作り、野生の生物たちを蘇らせる試みである。
こんな巨大な構造物が造られると、
すぐに環境破壊などと騒ぐ人たちがいるが、
俺たち人間がこの地上で暮らしていることこそが、
大いなる環境破壊なのであるから言わん方がいいね。
俺が考えるに、石積みによる防波堤は湖岸距離を延長させるので、
生き物たちの棲み家、生活場所が増えると考える。
土砂の投入による緩傾斜の湖岸線は、
多様な動植物たちの生息場所となるだろう。
この様に考えると、湖岸改変工事はあながち悪いものでもないが、
霞ヶ浦に馴染むまでは数十年単位の歳月が必要である。
平成5年に完成した大岩田の多自然型護岸は、
完成から20年以上が経過して霞ヶ浦の一部になりつつある。
強風による霞ヶ浦の大波にも耐えられる構造になった石積み、
水の浸食によって凸凹が構成された汀、
緩傾斜の陸域に繁茂している草木など、
20年以上が経過したことで、
この地の風や波、太陽光などの自然環境に馴染んだようである。
だからこそ、すぐに結果を求めず、
少なくても20年は時の流れを待つべきである。
沖宿の湖岸線に作られている自然再生施設もそんな風に考えれば、
優しいまなざしで見守ることが出来るだろう。