その756 秋刀魚
秋の代表的な味覚である秋刀魚を妹が送ってくれたので、
早速、焼いて食べた。
折りよく、姉がスダチを送ってくれていたので、
それをたっぷり絞り掛けて食した。
秋の味が口中に広がった。
もちろん、炭火焼だ。
備長炭が残っていたので、それで焼いた。
燃えているときにキンキンと音が出ているのが備長炭の特徴で、
炭素の密度の濃さがうかがえる。
もちろん、火力の強さも長さも普通の炭の数段上である。
焼きたての秋刀魚はFish村で食した。
焼くのが俺の仕事で片付けがカミさんと娘の仕事だった。
運転手がいるので、秋刀魚を口に運びつつ飲んだ。
美味いねぇ。
腸に滲み入る美味さだねぇ。
この時ばかりは、酒のある国に生まれて良かったと思う。
空には三日月お月さん、
月が浮かんだ夜空の美しさに気をとられつつ飲む酒は、
至上の楽園で甘露甘露の酔い心地である。
日ごろの憂さを忘れて今宵は少し飲み明かそう。
吉田幸二、秋刀魚を肴に焼酎を嗜む秋の夜