罵州雑言

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その862 二枚貝


 

 

少しずつ分かってきたよ。

何が?

いや、いや、皆さんにとっては大したことではないけれど、

霞ヶ浦にとっては重要なことではあるな。

また、魚にとっても大切なことであるなっ。

そう、今や瀕死の状態である二枚貝の話だよ。

 

 

 

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ドブガイはアルカリ質の泥底の水域に生息する。

12月から5月にかけて放卵されたドブガイの卵は、

その後グロキディウムと言う貝の幼生になって、

淡水ハゼ類やタナゴ類などの魚の体に2週間ほど寄生し、

その後稚貝となって水底で暮らすようになる。

 

ドブガイの好む水深は年齢によって異なり、

若いものほど浅い水深を好み、大型になるほど深い水深へと移動する。

 

ドブガイの成長期は5月から10月で、

特に6月から7月期の上昇水温期の成長が著しい。

 

ドブガイの食性は植物プランクトン(緑藻、藍藻、珪藻)で、

中でも珪藻類をお主な栄養源にしている。

で、水温の上昇に伴い珪藻が増殖する6月から7月期が

これらを十分に食べられるためだろう。

 

多くの二枚貝は吐水口を水底から出して排水を行い、

吸水は砂や泥の表層部や中で行っている。

この吸水時に藻類を取り入れこれを濾過して採餌している。

この濾過能力が一日で400ℓの水の浄化をするんだって!

なっ、重要なことだろう。

 

 

 

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次いでマシジミのことであるが、

マシジミは河川や水路、湖沼などに生息し、

少し流れのある砂泥底を好む。

 

雌雄同体で繁殖期は4月から10月、

体内で受精し鰓葉内で稚貝まで育ててから稚貝を放出させる。

その後稚貝は水底生活を始める。

 

そのマシジミが水を浄化する働きを担っている。

1gのシジミは1時間に170mlもの水を吸い上げ、

これを濾過して吐き出している。

 

例えばこれを単純に200倍にして見ると、

200gのシジミは1時間に34000mlもの水を濾過している計算になる。

1000mlが1ℓだから34ℓを浄化する計算である。

これをさらに24時間でかけると・・・816ℓとなり、

200gのシジミが一日に浄化する水の量は800ℓにも及ぶと言う次第だ。

 

二枚貝の水質浄化能力はこれほどまでに高いのだから、

こいつをみすみす見逃す手はない・・・と、俺は考えたのである。

 

どうよ、二枚貝の水質浄化能力、霞ヶ浦では見逃せないだろっ。

だから、水の動く施設が必要なのよ。

そのだ最大規模のものが霞ヶ浦導水だな。

 

 

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