その931 咬む刺すの毒虫
物置小屋から取り除いた古材を整理していたら、ムカデが出て来た。
相変わらず気持ち悪い姿形である。
オマケに咬みつくし顎には毒腺がある。
強い毒ではないが、咬まれるとそれなりの痛みや痒みがある。
だから触らぬ神に・・・なのだが、危うく握ってしまう所で間髪を逃れた。
セーフだったのは、古材を握るより先に目がムカデを視認してくれたからだ。
もし、見誤ったら咬まれていたろうなぁ・・・おお、怖い。
そのムカデを捕まえて、さてどうするものかと思い悩んだ。
殺すべきか、殺さざるべきか・・・俺の不注意であっても、
咬まれていたら間違いなく殺しただろうなぁ。
でも、間髪で難を逃れた。
思い悩んだ末、人間には関わらずに暮らせる場所に放した。
無益な殺生はしたくねぇ・・・てぇ言うのじゃない。
これまでにムカデに咬まれたことがないてぇだけのことである。
けれど、スズメバチには何度か刺されたことがある。
で、目の敵にするんだな。
同時に、アシナガバチを始めとして他のハチを襲いに来る。
アシナガバチに恩義がある訳じゃ~ないが、
どうも弱いものを見ると助っ人がしたくなる・・・。
これは俺の心情だな。
アシナガバチの巣を襲うスズメバチを見たことあるかい?
そりゃ~、もう凄いもんだぜ。
2~3頭で巣を襲いに来るのだが、
働き蜂たちは恐れ戦いて手も足も出ない状態なんだ。
それこそなすがままだ。
で、幼虫が根こそぎ奪い去られる。
そんなのを毎年見ていると、同情したくなる気持ちになるんだな。
そろそろ、スズメバチが餌を求めて頻繁に飛び交うシーズンだ。
何方さんもお気をつけ遊ばせ!