その032 どちらも外来種なのに・・・
霞ヶ浦の本湖に増えつつあるミズヒマワリって植物を御存じか?
一時期、新利根川に繁茂して駆除作業が大々的に行われたが、
その勢力は衰えることを知らない。
特定外来生物に指定されているので、
一般人が矢鱈に刈って処理することもできない。
許可を得て相応のやり方で処理するらしい。
でもね、実はミズヒマワリだって、
水中のリンや窒素を吸収して成長しているのだから、
繁茂している最中に刈り取って処分していけば、
霞ヶ浦の水質はすごく良くなると思うんだよね。
ミズヒマワリの水中根には多くのバクテリアが棲み、
それを餌にする小生物が集まり、
さらにその小生物を食べる魚類や甲殻類が集まる。
また、水面に伸びる茎や葉が太陽光を避ける影を作り出し、
瞼のない魚たちの絶好の隠れ場所になる。
もちろん、鳥類やほ乳類たちからの回避もできる。
外来種=侵略と交雑・・・こう書かれると良くない意味に捉える。
が、人間なんかズーッとこの侵略と交雑を繰り返して、
現在に至っているのである。
その辺りをしっかりと認識して利用出来るものは利用して、
より人間が快適に暮らせる環境作りこそが、
英知ある人間のとるべき施策ではなかろうか?
霞ヶ浦の水を良くするために、
場所によってはミズヒマワリを育て、大きくなったら刈り取って処分し、
水の生物循環をさせるのも一法だと思うのである。
どうだろうか?
こちらは北米原産のヒマワリである。
霞ヶ浦の湖畔に咲いていた。
ミズヒマワリには似ても似つかない姿形である。
これも外来種であるが、向日葵などと表されて日本人に人気の花である。
ヒマワリにまつわる歌も多い。
一方、ミズヒマワリは駆除される対象だ。
どちらも外来種なのに、一方は歓迎され、一方は疎まれる。
なんともやるせない。
なんとも・・・ああ、なんとも・・・ああ、なんとも・・・。