その260 コロナウィルスと小さな生き物
ここ数ヵ月間、植生浄化施設の維持管理に掛かりっぱなしである。
緊急事態宣言下だったので、トーナメントはもちろん、
防塵挺身隊による湖岸清掃活動も行われていなかったからである。
昨年からコロナウィルスに翻弄されておりますなぁ。
かと言って、コロナウィルス対策を疎かにはできない。
なんたって後ろ指を刺されるからね。
そんな経験は特定外来生物法のときに嫌っというほど味わったよ。
バスアングラーは犯罪者・・・なんてぇ陰口を叩かれてね。笑
笑っちゃう話だけれど、家族まで後ろ指を刺されるのは勘弁だ。
てぇことで、植生浄化施設の整備なら一人でコツコツできるから、
ズーっとやっていたね。
生き物看板を描いたり、それを立てたり、古びた看板を撤去したり、
描き直したり、伸びてきたノイバラを切ったり・・・。
その甲斐あって以前に比べると整備は進みましたな。
で、その施設にある導水路だが、モツゴやタナゴ、メダカにエビと、
溢れんばかりに生き物がいる。
だけれど・・・大きなコイやブルーギルもいたんだね。
でも、小さな生き物はその何百倍も棲息していたんだ。
つまり、外来魚がいても在来魚たちは食い尽くされないってことだよ。
先日の生物調査では、小さなカマツカも捕獲された。
霞ヶ浦では少なくなりつつあるカマツカが、
この水路では繁殖しているってことだよね。
当時のTVで放映されていたのは、ブラックバスの入ったガラスの水槽に、
そこに金魚を入れる映像を流していた。
そりゃ、バスが金魚にちょっかい出しますよね。
縄張り内に突然に入り込んできたんだから・・・。
ライオンの檻に人間を投げ込むようなもんですな。
そりゃ、食われちまいますよね。
そんな光景をTVで流して、何でも喰っちゃうとか、
悪食だとかのレッテルをガッツリ貼られてしまった。
まったく酷い話である。
でもね、自然界ではそんなことは起こらないんだ。
何も遮蔽物のないガラスの水槽とは違って、
自然の水域には隠れ場所がたくさんあるからね。
まぁ、食われてはいるだろうけれど、絶滅させるほど食うのは人間だけだよ。
そうさな、悪食は人間だなっ。
何でも喰うんだからさっ。
この導水路には溢れんばかりの生き物がいる。
その水が溢れて霞ヶ浦に注ぐ、
すると霞ヶ浦に生き物たちが自然に移動して行く。
つまり、この導水路は霞ヶ浦の小さな命を繋ぐ導水路なのである。
霞ヶ浦に小さな生き物を増やす・・・それがバスの為になる。