その179 AED
AEDって、ご存じか?
最近、駅や公共施設などでよく見かける機器がAEDだ。
ここ数年の普及率は凄いね。
皆さん、救急救命装置に対して意識が高いのだな。
とは言うもの、使い方を知らないと、或いは正しく使わないと、
宝の持ち腐れになるし、二次被害を受ける羽目になる。
そこで、先日、このAEDの正しい使用法と、
それに伴って不可欠な胸骨圧迫心臓マッサージを
石川千雅子先生に指導してもらった。
人が倒れて意識を失った場合、心臓が心室細動という
不整脈を起こしている可能性がある。
心臓が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな動きが滞り不整脈を起こす。
特に心臓の血液を全身に送り出す心室がブルブル震えて、
血液を送り出せなくなった状態を心室細動と呼んでいる。
心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓などの臓器にも血液が行かなくなり、
やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう。
心室細動を起こすと、1分毎に死亡率が10%上昇する。
つまり、10分過ぎたらさようならなのである。
で、救急車の到着には概ね6~7分掛かるので……言わずもがな。
そんな講習会が先日開催された。
講習を受けているのといないとでは雲泥の差がある。
そう、知識と言うものは蓄積されるものだからだ。
また、実践によって知識は培われるものである。
実際に聞いて、触れて、体験することで大きな効果となって現れる。
この日はAEDの使用法の前に、胸骨圧迫マッサージを教えてもらった。
倒れている人がいたらまずは耳元で呼び掛ける。
で、意識のないことを確認したら周囲にいる人に大声で助けを求める。
「119に連絡を! そしてAEDを探してきて下さい」。
先ずはこれだ。
次いで、「心臓マッサージを行うので、何人かの方、手伝ってください」。
人数の確保が大事なのは心臓マッサージがことのほかハードだからだ。
腕立て伏せを1秒毎、2分間で120回行う要領だからね。
これがワンセットだ。
実際にやってみたが、2分間がギリギリだった。
昭男は体調が悪く、1分でへばっていた。
が、へばっても止めてはいけない。
誰かと交代しつつ心臓マッサージは続けるのである。
AEDが来るまで続け、その後も救急車が到着するまでか、
卒倒した人の意識が戻るまで続ける必要がある。
俺たちが受講したことをここに書きなぐっても、
決して皆さんの知識はならない。
是非、一度心肺蘇生法の講習を受けるべきである。
大切なことは実際に体験することだ。
それはバスフィッシングも同様である。
いつか何処かで誰かが、俺の心臓マッサージをしている。
……そんな夢を見たが、人工呼吸はしなくてもいいからね。
そんな日のために、受講されることをお奨めする。