罵州雑言

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その274 魅力の行方


 

 

茨城県に移り住んでかれこれ20数年が経過した。

さて、俺がこの地に移り住んだ一番の原因は、

その当時のW.B.S.は所在地が東京大塚であったために、

霞ヶ浦では外様にもなれない部外者、時折訪れる外来種だったからだ。

西を向いても東も見ても、

茨城県の人たちには受け入れてもらえなかったのである。

 

どこから来たんだい?

と訊ねられても「東京ですよ」と言うと、

そこで話が終わってしまうほど相手にされなかった。

ああ、遊びに来ているんか・・・・・・的な考えだったと思う。

そんな状況だから何をするにも窮屈だった。

で、もし俺がこの地の人間だったら・・・・・・と考えるようになった。

 

で、W.B.S.の本拠地を茨城県に移し、

俺が阿見町に住むようになると状況は一変した。

なんたって、清き一票、いやカミさんと二人だから二票だな。

これが政治家に効いた。

さらに、霞ヶ浦に係る人たちと交流するようになっても、

阿見町の住民であることを告げると同郷の親しみを持ってくれた。

俺の移住はW.B.S.的に言うと成功だったのである。

 

移住の原因のもう一つに、東京に対する魅力の低下があった。

生まれ育った場所ではあるのだが、

俺が育った頃よりは格段に住み辛い町になっていた。

居住する魅力が半減していたのである。

それは子どもを育てる条件に於いて顕著だった。

安心して遊べる場所がないのである。

 

道路にはひっきりなしに車が走り、

近所の公園には浮浪者が住み着き、隣近所とも交流がなく・・・・・・

と上げれば枚挙に暇がないほどの不満が噴出した。

41歳のとき、思い立って茨城県に移住した。

東京の魅力の半減が大きな原因の一つでもあった。

 

今、日本の魅力が失われつつある。

住みたい国とは思えない状況が構築されつつある。

子どもたちの愛国心を育むべき世代の俺ではあるが、

我が子に今の日本の魅力を説くほどの材料がないのだ。

 

だから、せめても俺が夢中になって、

その魅力の絶えることのないバスフィッシングを、

次の世代に伝えていこうと思う。

俺たちに夢と希望を与えてくれたバスフィッシングを、

心底惚れ込むほど魅力あるバス釣りを守って行きたいのである。

 

 

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東京で失われた魅力が、茨城県の霞ヶ浦で再生した。

しかし、今の日本現状を見ているとまた魅力を失いそうである。

が、バスフィッシングの魅力だけは不変である。

俺はこの不変の魅力に賭けようと思う。

 

さて、今年もあと二日、来年も良い年でありますように!

 

 

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