その528 期待感と緊張感
昨日はちょいとした野暮用で霞ヶ浦の下流域まで出張った。
雨の中、車を走らせるのは疲れるよねぇ。
ジジイになると見通しが悪くなる。
そう、視野が狭くなるんだな。
身体だけでなく目ん玉を動かす時もギシギシと錆びついた音が立つ。
で、視界が狭くなるんだ。困ったもんだよ。
折角下流域まで出張るのだから釣りをしようってことで、
ロッド一本を軽トラックに載せていざ州の野原へと向かった。
雨はどんどん強くなる。
(独法)水資源機構の利根川下流事務所に着いた頃には、
結構降っていたがもう「やめられないとまらない」だ。
ロッドを担いで水辺に降り立った。
で、テスト中のルアーを投げた。
ビュ~ン! よく飛ぶ。
ボッチャ~ン! 着水音が上がる。
ジャラジャラ! 軽快な音で水中の魚を魅了する。
ブリブリブリッと! 怪しげなモンローウォークで魚を誘う。
そんな繰り返しの最中に、突然ガッツンという衝撃が手元に届いた。
「キャッホー!」。
キャッシーは中島だが、
キャッホーは魚がヒットした喜びの雄叫びである。
が、そんな喜びも束の間で、予想以上の魚の強いファイトに、
オチャラケは霧散して緊張感が全身を埋め尽くした。
濁っていて良く見えないが、
遥か彼方で暴れている魚はまぎれもなくデカイ!
水飛沫も尋常じゃない。
久々の50㎝オーバーか?
という期待感が生まれ、緊張感はさらに高まった。
魚はなかなか寄ってこない。
期待感が広がる。
ヨシ原の方に入ろうとするのを無理やりに止めて、
強引にリールを回しラインを巻き取った。
姿が見えた。
な、な、なんと! ライギョだった。
相当に面白かった。興奮した。
アドレナリンが身体中を駆け巡った。
本命のバスではないけれど、嬉しかったなぁ。
それと、大いなる期待感で心が埋め尽くされたのも喜びである。
一つだけ残念だったのはハリを伸ばされたことだね。
でもね、60cmをゆうに越えるライギョだもの仕方がないね。
折れるハリよりも伸びるハリの方がいいね。
それにしても、ライギョにしては相当に暴れたね。
俺のルアーに掛かったことが、よっぽど腹立たしかったのだろう。
ありがとう・・・・・・そう呟いてリリースをした。