●川柳
何を隠そう私、学生時代からしばらく、川柳というものを嗜んでおりました。
「木遣り」という関東で最大の組織に属して、
毎月、句会に出ていました。
当時は関西の「番傘」に対しての「木遣り」ということで、
メジャーな吟社でした。
川柳の組織を吟社といいます。
句会っつのはあらかじめ教えられている宿題と、
その場で発表される席題というものがそれぞれ3題ずつあって、
考えて来た宿題の句とその場で作った席題の句を提出して出来栄えを競う場です。
一つの題に対して3句まで提出していいことになっていました。
句は短冊に書きます。
ちなみに無記名です。
だから選者は誰の句かわかりません。
私が出ていた頃の参加者は約80名ぐらい。
都内のお寺で行われていました。
夕方の5時頃に集合して、句の提出が6時半ぐらい。
それから審査されて7時半ごろに発表です。
それぞれの題に対して18句選ばれます。
上から 天 地 人 五客 十秀
というふうにランク付けされます。
当然、天が一番で、地と人はベスト3。
五客がその次で、十秀が佳作といったところでしょうか。
選者が十秀から句を読み上げ、
自分の句が読まれたら大きな声で「風太郎」と名乗るわけです。
天の句、つまり最優秀の句が最後に発表される時は最高に盛り上がりました。
バストーナメントのようにポイント制の年間レースもあり、
私も燃えていました。
なんでこんなことを書いているかというと、
ヒマな友人が面白い川柳を送ってくれたからです。
シルバー川柳というらしく、
少し紹介しますとこんな感じです。
忘れえぬ 人はいるけど 名を忘れ
起きたけど 寝るまで特に 用はなし
土地もある 家もあるけど 居場所なし
いびきより 静かな方が 気にかかる
医者と妻 急にやさしく なる不安
LED 使い切るまで 無い寿命
「ア~ンして」昔ラブラブ いま介護
味のある 字とほめられた 手の震え
厚化粧 笑う亭主は 薄毛症
うーん、なかなかですな。
でも私が追求していた川柳はもっと抒情的なものでした。
句集も何冊か出しました。
B7サイズの豆本です。
こういうのを自費出版したりしました。
大損しましたけどね。