帰ってきた Cool Cool Phoo

帰ってきた Cool Cool Phoo

●てんぷらうどん物語


最近、いい天気が続きますねー。

 

本日はいろいろなところでイベントが行われてたようです。

 

こんな日に家にいるのはもったいないです。

 

でも、私は久しぶりに二日酔いで家でボーッとしていました。

 

実は昨日、へらぶな釣りの取材で荒川に行ったんです。

 

といっても本流ではなく、彩湖と荒川をつなぐ水路での釣り。

 

けっこう穴場で人気なんですよ。

 

んで7時が満潮でそこから下げで釣れ始め、

 

潮が止まるとまったく釣れなくなります。

 

潮が上がってくるのが夕方ということで、

 

取材は午後で終了。

 

当然のように飲みに行きました。

 

いやー、そこで調子に乗って、

 

まだ明るいうちにベロベロですわ。

 

年甲斐もなく醜態をさらしてしまいました。

 

その結果、本日は廃人となっていました。

 

いやー、深酔いはつらい。

 

やっぱりトシですかね。

 

トシといえば知人が先日、定年退職いたしました。

 

大体、誕生日に定年を迎えることが多いんです。

 

彼はある釣り具メーカーに勤務して40年。

 

最後の勤めを終えたのでした。

 

ですが、祝ってくれる家族はいませんでした。

 

仕事と釣りの毎日で、家庭をいっさい顧みなかったので、

 

妻や子に敬遠されたのです。

 

定年を一年前に控えたある日、

 

妻とすでに成人した娘は家を出て行きました。

 

男の将来を見限ったのです。

 

その日、男は会社からの帰り道、

 

一軒のウドン屋に入り、ちょっと贅沢なてんぷらウドンを注文しました。

 

800円でした。

 

食べながら、オヤジに何気なく

 

「今日で定年なんだ」と呟きました。

 

するとオヤジは何も言わずに、エビのてんぷらをウドンに乗せました。

 

男はオヤジの情が嬉しくて、

 

泣きながらウドンを啜りました。

 

その味はほろ苦いものでした。

 

食べ終わって男は500円玉と100円玉を三つ、

 

テーブルに上に置いて出ていこうとしました。

 

するとオヤジはお金を指さして何か言おうとしました。

 

男はそれを制しました。

 

「いや、甘えるわけにはいかない。ウドンの代金ぐらい払わせてくれ」

 

男は我ながらカッコイイと思いました。

 

そんな男にオヤジは優しく言いました。

 

 

 

 

 

 

「追加のエビ天、300円ね」

定年者に世間の風は冷たい。

 

Comments are closed.