5月23日、土浦合同庁舎第1分庁舎第3会議室にて「霞ヶ浦北浦における漁業制度と操業等に関する説明会」が行われました。
この日、霞ヶ浦北浦における水産業(漁業、養殖業及び水産加工業)の振興に関する行政機関「茨城県農林水産部霞ケ浦北浦水産事務所」の職員の皆さま、そして、霞ヶ浦漁業協同組合から、副組合長の武藤彰男様にも出席していただきました。
今回の説明会は、茨城県海面利用協議会委員でもある、ワールドバスソサエティー(以下、WBS)の代表・吉田幸二の発案により、漁業者と遊漁者が相互理解を深め、より友好的な関係となれるよう設けられた場であります。
霞ヶ浦の漁業をきちんと理解することで、遊漁者と漁業者の間で発生するトラブルを未然に防ぎ、霞ヶ浦を宝の湖として誇れるものにすることを最終目標としています。
急遽の開催にも関わらず、霞ヶ浦で釣りを楽しむ釣り人から、WBSのプロメンバー、JBNBCからチャプターの会長、プロショップを営む方、マリーナ関係者の方々などが集まりました。
当日説明していただいた概要は以下のとおりです。
(1)漁業制度の概要
① 茨城県霞ケ浦北浦海区漁業調整規則
② 遊漁に関する制限
(2)霞ヶ浦北浦で操業されている漁業の概要
① 許可漁業
② 自由漁業(漁協承認漁業)
(3)釣りのマナーとライフジャケット着用について
①マナーについて
②ライフジャケット着用について
この内容を、プロジェクターにて漁法の写真などを投影していただきながら、詳しく説明していただきました。
□参考資料① 【霞ヶ浦北浦の漁具・漁法】
http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/contents/documents/gyogugyohou2016.pdf
その後、意見交換の場となり
・どんなトラブルが多いのか?
=網を切られることが非常に多い
・網の価格はいくらなのか?
=しらうおさし網の場合、5mで5万円~7万円(網目のサイズによって異なり、細いほど高価)
・漁業者とのトラブルを回避するには
=常に見張りを怠らず漁業者の存在を確認すること。漁の時期や方法について把握・理解してもらうこと 漁業施設(網など)には近づかないこと
・現在、何件ぐらいの漁業者がいるのか
=しらうおさし網漁業で200件(許可漁業)程度
・しらうおさし網に関する詳細
=霞ヶ浦北浦沿岸すべてが漁場であり、しらうおが集まる場所は風や潮の流れによって変化するので、網が設置される場所をあらかじめ特定することは難しい
=目の細かい網であり、網を浮かせるための浮子も小さいため十分目視で注意してほしい。
などの話を伺いました。
まず、大前提として肝に銘じておかなければいけないことは、漁師さんは漁業を営んでいる立場であり、遊漁者はレジャーとして霞ヶ浦水系を利用させていただいている立場であるということです。
今回トラブルとなった「しらうおさし網」について説明します。
11月1日~翌年2月末日 と 4月1日~5月15日に操業されています。
11月1日~翌年2月末日の場合、網を夜中に仕掛け夜明け前に上げるため問題が起きにくいですが、4月1日~5月15日は、午前8時~お昼ぐらいまでの間の2時間程度網を仕掛けすぐに上げるために、網の近くに漁師さんがいることが大半とのことです。
仕掛ける範囲は、水深1m50cm~4mぐらいまで。
岸近くに仕掛けることが多く、距離としては50mの場合もあれば、200~300mの場合もあるそうです。また、その日の状況によって、岸に平行の場合も垂直の場合もあるそうです。
○霞ヶ浦北浦海区漁業権漁場図
水面付近から中層を遊泳するしらうおを獲るため、網は水面直下からカーテン状に仕掛けられています。網の両端には白い旗をたてて目印にしているとのことですが、そこに網があることが実際はほとんど目視できません。
トラブルを避けるための方法は、4月1日~5月15日の間、漁業者の方々に注意を払い、航行していくほかありません。
どの場所に網が仕掛けられるのか ということもその時々で漁場が変わるため、特定も現在難しい状況です。
・まず、周囲に漁師さんの姿がないか
(いたら、近くに網が入っている可能性が高い)
・岸近くはスローに走行することを心がける
という点を、アングラー個人個人が注意していきたいと思います。
また、漁業者の方にとって網を切られてしまうことは、大切で高価な商売道具を損失することであり、大きな痛手であることを認識してほしいと思います。
人と人とのコミュニケーションが希薄になっている
きちんと話ができない若者が増えている
という声が、年々大きくなっている時代です。
アングラー側も故意に網を切っている人はいない
ということもこの場で話をさせていただきましたが、漁師さんに声をかけられたときは、
・あいさつをする
・一旦止まって、漁師さんに近づいて話をきく
漁業を営む方々にとって、釣り人はマナーの悪い人が多い という印象が強いのが現状です。
そして、霞ヶ浦北浦で現在どのような漁業が行われているか という点も、遊漁者としてしっかり理解していきたいと思います。
霞ヶ浦北浦での遊漁およびレジャーで霞ヶ浦水系を訪れる皆さんは、以下の内容をご確認ください。
□参考資料② 【霞ヶ浦北浦で船舶を使用し遊漁等を楽しまれる皆様へ】
http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/contents/documents/111205sasi.pdf
□参考資料③ 【霞ヶ浦北浦で楽しい釣りを ルール編】
http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/contents/documents/turirule.pdf
□参考資料④【霞ヶ浦北浦で楽しい釣りを 地図編】
http://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/kasui/contents/documents/20100722map.pdf
また、過って網を破損してしまった場合には、速やかに下記のいずれかの漁業協同組合に、必ず連絡してください。
霞ヶ浦漁業協同組合
TEL.0299-55-0057
麻生漁業協同組合
TEL.0299-72-0416
きたうら広域漁業協同組合
TEL.0299-55-0289
霞ヶ浦北浦小割式養殖業協同組合
TEL.0299-55-0289
もしくは
茨城県霞ヶ浦北浦水産事務所(漁業調整課)
TEL.029-822-7269(平日のみ)