■その372 オールドマン
めっきり寒くなった。 12月に入った途端に冬の到来だ。 樹木の枯れ葉も一気に落ちた。 アキオ農園のピーマンも霜に震えていた。 いよいよ本格的な冬か?
霞ヶ浦の表水温が12℃を切った頃からが、 ワカサギパターンの勝負だと思っているんだが、 このところの冷え込みでやっと10℃に近付いた・・・だろう。 先日までは14〜15℃もあったからね。 10℃を切るまでは表層ワカサギで行けるんだがな。 例年ならばだね。
長年に渡って積み重ねた経験と水中想像力が、 こう言わしめるンだな。 表水温が10℃でも、バスを水面に誘える。 でも、今年はどこかが違う。何かが違う。
そんなことを思いつつ、棚のルアーを整理していたら、 古いリールが出てきた。 ヘドンマーク4である。 正しくはHeddon MARKWであるな。 オリムピック製のベイトキャスティングリールである。
キャスティングの時に、レベルワインダーが前に倒れ、 動かなくなる方式のベイトリールである。 相当に古い。
このリール、実は故・吉本万里さんのリールである。 月刊フィッシングの編集長・・・と言えば、ご存じの方も居ろう。 亡くなられて15年ほどになるだろうか・・・。
お別れの会でのことだった。 北村秀行さんが寄って来て 「編集長のリール、幸二が落とせよ。頼んだよ・・・」 と耳打ちされた。 言われる通り、俺が競り落とした。
で、そのリールが昨晩棚を整理している時に出てきた。 何か因縁めいたものを感じて、リールの掃除をした。 それほど汚れてはいなかったが、 グリースが固まって動きが悪かったので、 オイルをさし直した。 普通に動くようになった。
リールの手入れをしていて60歳を感じた。 俺もオールドマンか・・・。 少し淋しい、少し切ない、でも誰にでも訪れるもの。 さて、本日は環境展だ。 俺よりオールドマンが会場には沢山いる。 先輩たちに負けぬように、俺はここに・・・おーるど!
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