■シャロークランク タックルバランス編   


RPMの話ついでに、シャロークランクのタックルバランスに付いて
自分の実戦からの考えを書こう。
まずクランクベイトや巻物は、
グラスロッドで向こう合わせなオートマチックと考えているのは、
大きな間違いである。
確かにラッキーにもバスが反転して、
自動的にフックアップするときもあるが、
ビッグバスに至ってはそう簡単ではない。
大きな口を開けて大型のクランクベイトを丸飲みにしたと思った矢先、
ポンと口から吐き出したのを何度も目の辺りにしている。
「えー、マジかよ!」と思ったときにはすでに遅しである。
最後に見たのはレイク・フォークで、
8ポンドクラスのバスがリリーパットの横から出てきて、
バルサB2を丸飲みした後、
そのままのスピードでボートに向かってきて吐き出したのである。
手元にはクランクベイトのぶるぶる感が消えたような感じはあったが、
あっけに取られていてフッキングには至らなかった。

まず、ディープクランクとシャロークランクは全く別物と考えて欲しい。
ディープクランクはロングキャストが大切で、ルアーの抵抗も物凄い。
よって昔からあるパラボリックにベンドする
クラッシックなクランキングロッドが当時有効であった。


トーナメント中YMチャートでキャッチした貴重な1匹

しかしながらシャロークランクはRPM編で何度も説明した通り、
カバーにコンタクトさせることが一番重要で、
キャスト力が求められる。
コンパクトなスイングでコントロールキャストするには、
デロンとしたパラボリックなアクションのロッドは向かない。
パラボリックなデロンしたロッドで
シャロークランクをシャローカバーにコンタクトすると、
クランクがレイダウンやスタンプを舐め過ぎて、根掛りし易い。
ある程度の硬さとファーストテーパーなロッドの方が、
シャロークランクがストラクチャーにバウンスしてくれて、
根掛りが少ない。
当然ファーストテーパーの方が感度があり、
ストラクチャーにコンタクトしてリーリングを止めたり、
ロッドを立てたりと素早い対応に繋がり、根掛りの防止に繋がる。
キャスタビリティーもスローテーパーなロッドは低い。

フッキングはバットだよと良く耳にするが、
重要なのはバットではなくベリー部分が初期フッキングを助ける為、
ベリーにある程度のトルクが求めらる。
よってファーストテーパーである程度の張りがあり、
振り抜けが良いロッドが求められる。
それに食い込みの良さが必要とされる。
そう考えると低弾性のカーボンロッドが最適と思われる。
そうそれも良い選択に違いない。


7フィートのグラスコンポジットを愛用

さらにビッグバスとのやり取りや、
小さいタイニーNクラスのルアーから
B3クラスのビッグシャロークランクまでを
一本のロッドでこなすとなると、
グラスやコンポジットといったロッドが使用範囲の広さに分がある。
またフッキング力やバスを引き出すトルクからも
グラスやコンポジットが有利になるが、
現在のカーボンロッドの軽さにひけをとる。
そうカーボンロッドでは使い易いロッドはできるが、
大型のクランクベイトを投げたりフッキングさせるトルクが足りない。
でも取り回しやキャストはし易い。
その逆にカーボンで大型プラグ用を作ると、
全く小型のプラグはキャストし辛くなる。
そうカーボンロッドは専用ロッドは作り易い反面、
許容範囲が狭くなるのである。

グラスやコンポジットは重さのため取り回しが若干劣るが、
ルアーの許容範囲が広いのとバスをフックアップし
コントロールするトルクがある。
またグラスのだるさを無くしたり、
ファーストテーパーを出すためにコンポジットされたのが、
最近のロッドに反映されている。

次にロッドの長さであるが、
6.6フィート〜7フィートがシャロークランクには適している。
これはクランクベイトのコース修正(左右上下)や
フッキングに至ってもこれぐらいの長さが最適と私は考えている。

リールについては、下ろしたての一番新品に近いものを
クランクベイト用に使っている。
巻物こそロッドとリーリングのコンビネーションで
ストラクチャーとのコンタクトを感じたり、
当然バイトをとりフッキングに持ち込まなくてはならない。
リールのスムーズさがクランキングには特に求められる。
最近はリールが進化して、
ハイスピードリールを使用しても巻き取り辛さはいたってない。
基本的には早巻きするよりも、
スローからミディアムリトリーブが基本なのが巻物系なので、
5.1:1でも6.3:1でも好みでよいと思う。
大切なのは自分がコントロールしているルアーが
どれぐらいのスピードでストラクチャーを通り過ぎて来るかを
しっかりと頭におくことと、
フックアップしたあと一早くストラクチャーから
バスを引き離す慣れが必要である。

ラインは、私はコンポジットのロッドに
14ポンドのフロロカーボンラインを
90%以上のシチュエーションで使用しているが、
ロッドの硬さや自分の扱い易さで
モノフィロメントラインと使い比べて選ぶと良いであろう。


ロッドはUSトレイル701MMHRB−G、リールはTD-Z 103H、
ラインはBAWO スーパーハードプレミアムプラス 14ポンド

まあカーボンやグラス、コンポジットそれぞれ長所と短所があるので、
身長や体力によって自分の好きなロッドを選ぶと良いであろう。
参考になればと書いてみたが、
フロントラインで戦っている私のトーナメントフィッシングの意見だ。
休日をより楽しむためにクラシカルなグラスロッドで釣るのもありだし、
ピンポイントキャストを決めるために
ショートロッドを選ぶなど人それぞれだ。



●では、お待ちかね、RPMクランクプレゼント当選者の発表です。



最近は中々釣りに行けず、悶々とした日々を送っています。
今年のフィッシングショーで宮崎プロにお会いし、
このRPMクランクのお話をお聞きしました。
本当に親切に何でも教えていただいてありがとうございました。
ついに出ましたね。
最近は釣りにも行けず、たまに行っても釣れないし、
ルアーを買ったりするのもあまりしてなかったのですが、
このクランクは買って投げてみたいと思います。

今回のクランクベイトのお話もすごくたのしかったです。
また時間があれば、クランクベイトの使い方についてレクチャーして下さい。
トーナメントも頑張ってください。応援しています。


とメールをくれた京都府の永井さんに決定!

宮崎さん自身が、厳正なる抽選をした!
サイコロを振って…と言っておりました。(笑)
永井さん、おめでとうございます。