海藤真也プレスアングラーレポート 須田吉宏
W.B.S.クラシックと言えば台風!!
と言っても過言ではないだろう。
16回目を向かえる今年もやっぱり台風がやってきた。
それも週末に合わせるように突然現れ
プレスに苦痛な初日を体験させてくれた。
きっと今年経験した人は二度とプレスなどしないだろう…
と言うのは冗談で、どんな条件であっても学べる事は沢山ある。
今年もしっかり目からウロコを落としてきた。
朝のミーティングで海藤選手のボートに乗船する事が発表された。
今年の海藤選手は最終戦の最終日までA.O.Y.争いをしていた。
結果は残念であったが年間4位でのクラシック出場は、
とても立派な成績だと思う。
海藤選手は非常に真面目で無口そうだという印象を持っていた。
無口だった場合苦しい2日間になってしまうので
印象と違う事を祈るばかりだ。
そしてもう一つの印象は、いつでも表彰台に居るような気がする。
その安定感のある釣りの秘密を2日間で解き明かしてみたい。
Day 1
まだスタート時には雨風共に強烈ではなかった。
あのBULLETでも余裕で走れたので間違いない。
6時40分
ファーストポイントは麻生のドッグ脇の杭。
『釣れるっかな〜釣れないっかな〜』と歌いながら釣り開始。
私の中で海藤選手のイメージが音を立てて崩れていった。
嬉しい誤算だ!
そんな歌も歌い終わらないうちに本日の1本目をキャッチ。
ガルプのダウンショットに食いついたバスは元気な500g。
釣れる秘密など考える余裕も無い電光石火の早業だ。
秘密を強いて上げるなら歌か!?
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その後葦際を丁寧にダウンショットで攻めるが反応が無い為、
ジャカゴをスピナーベイトで流して行く。
雨で見づらいなか1投1投確実に打ち込んでいく技術は流石だ。
キャストの腕を磨かなければいけないといつも思い知らされる瞬間だ。
8時10分
待望のヒットだがボート際でバラシ…
その20分後にもボート際でバラシ…
『この時期は食いが浅いからバラシが多くなるんだよ』
と元気なく話してくれた。
ちなみに1本目はハンドランディングか抜き上げるか迷い
ハンドランディングの体勢に入った瞬間にバラシた。
2本目は躊躇無く抜き上げて空中でフックアウト。
ボートのへりにバウンドして水の中に…
最初から釣れないバスだったのだろう。
この2本以外スピナーベイトには一切反応が無かった。
少々雨風強くなり始めたタイミングで移動。
9時30分
海藤選手の庭である北利根川に到着。
杭を丁寧にダウンショットで探る。
風の影響でラインが流されてしまい、
アタリを取るのも厳しい状況にもかかわらず渾身のフッキング!
流石にプロ!と唸る1本であった。
さらに続けて隣の杭からもう1本釣ってしまう集中力は凄かった。
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そこから小移動を繰り返し10時40分北利根川の桟橋で4本目をキャッチ。
リミットを揃える為に妙岐水道に行ったが
さらに風が強くなってきたので早めに西浦に戻る事に。
まだ大荒れと言った感じではなかったがなかなか楽しいドライブだった。
結局その後はノンキーしか釣れずプレス人生で最も苦痛な1日は終了した。
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初日の夜と言えばクラシックパーティー。
外は台風通過で嵐と化してますが会場内も笑いの嵐が発生していました。
吉田幸二さんと参加選手のトークは、ここでは書けない面白さです。
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美味しい料理を食べながらプレス同士釣りの話で盛り上がります。
参加賞も盛りだくさんで初日の苦痛も吹き飛んでしまいました。
しかし翌日も朝早いのでそこそこで切り上げ…は残念。
Day 2
昨日の雨で大増水の霞ヶ浦。
綺麗な朝焼けに向かって走りファーストポイントは玉造。
鉄骨、杭、ドックの壁、ジャカゴとテンポ良く打って行くが反応が無い。
増水で普段ボートでは入れない場所までチェックしてみても
魚の気配を感じない。
早々に移動を決意し一路妙岐へ。
ベタ凪の湖面を走るボートは心地の良い揺り籠状態。
ついつい眠くなってしまいます。
そして目的地の妙岐に到着して一言!
『ボートに穴が開いてるみたい…』
Σ(゜Д゜;)エッ!?
様子を見つつ釣り続けるが定期的にビルジから水が排出される。
棄権と言う言葉も海藤選手の口から出た。
非常にボートを大切にしていたので相当ショックを受けてる感じだ。
釣りを続ける間に少し落ち着いたようで
早めの帰着をするという事で考えがまとまったようだ。
北利根川に移動し水門でギルを1匹釣った時はとても楽しそうだった。
バスでは無かったが今日初めて魚を見た私も元気になった。
葦際を打っても反応が無い事から
バスは深い所に居るのかも知れないと言っていたので
『浚渫ですか?』と聞いてしまった。
その浚渫と言う言葉が海藤選手の心の奥底に眠っていたものを
起こしてしまったようだ。
和田、西の洲、古渡、大山と楽しそうに浚渫の想い出巡り。
浚渫が釣れた時代など知らない私には、
面白い話がいっぱい聞けたと同時に新鮮な釣りを見る事ができた。
そして海藤選手の情報量の多さに非常に驚いた。
釣れた当時は来る日も来る日も魚探掛けをしたそうだ。
そういう努力と経験が海藤選手の強さの秘密ではないだろうか。
一朝一夕で真似できるものでは無かったのだ。
そしてぼちぼち帰着を考え始めた大山の浚渫でドラマは起こった。
『ん?おお〜!?何か重いぞ!釣れた〜!!』船上は大騒ぎ。
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慎重にやり取りをしてキャッチしたバスは610gと
大きくは無かったが記憶に残る1本となった。
本当は2Kgくらいのバスを期待してたんですけどね。
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2日間海藤選手に同船出来て本当に良かった。
逆に私が乗った事で、
緊張感が無いまま過ごしてしまったのではないか心配である。
と言うのも2日間ともゆる〜い感じだったもので…
普段もこの状態であれば殺気の無さも釣れる要因の1つだろうか。
まだまだ解明出来ていない部分が多いので引き続き調査していきたい。
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また来年もクラシックで海藤選手の姿が見れるよう応援してます!!
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