「魔人ブゥ」パワー炸裂!!

中村雅晴選手、

初のビッグタイトルに、

歓喜の新港ダイブ!!




2007 W.B.S.クラシックレポート


冷静に考えてみれば恐ろしい事実に気がつく。
それは、中村選手のクラシックへの道程。
これがまったく波乱万丈のドラマ。

2007年度の最終戦を15位で終えた同選手の年間ランキングは
なんとっ!!













20位!!
柴崎智尋選手をわずか70g上回った。
これでクラシックへの残り一枚のチケットを手にしたのである。



好きな言葉は
「ギリギリ、ハラハラ、絶壁」。
選手名鑑には本人の言葉でこのように書かれている

続いて紹介されたコメントは
「10g差の優勝(第4戦では10g差で優勝した)や、
30g差ギリギリ20位でのクラッシック出場
(計算間違い。正しくは70g差)。
ギリギリの所が自分らしいような?クラッシックは
ギリギリの成績で終わらない様に頑張ります」。

「ギリギリの成績」どころか、堂々の2日間リミット達成。
あれよあれよという間に優勝してしまった。
人生、何が起こるかわからない。

ギリギリの権利獲得でのクラシック。
『あの時の一尾がモノをいった』
やっぱり、勝負で手を抜いてはいけない。
釣れるときに釣っておく。
それがクラシック優勝に結びついた。
「運」もあるだろう。
だが、中村選手の優勝は、
普段の地道な努力が結実したものであることは誰も否定できない。
まさに、勝つべくして勝った、誇るべき結果といえよう。

権利を獲得して以来、熱心にプラも行った。
『今回は気合を入れて会社もずいぶん休みました』
と述懐するほど充実したプラだった。
その結果、探り当てたのはプロダクティヴなハニースポット。
「晴れでも雨でも、吹いても吹かなくても釣れる」超ストロング・エリア。

2日間、そこで釣りきった中村選手に勝利の女神が微笑んだ。
その決め手は……













まあ、結論を急がず
最初から順を追って試合を振り返ってみよう。




10月27日未明。
土浦新港には冷たい驟雨が降りしきっていた。
台風20号の影響をモロに受けたのである。

幾度となく雨に祟られた今年のW.B.S.プロシリーズ。
さすがに10月も下旬となると、雨が降ると凍えるように寒い。
しかもかなり激しい降り方だ。
レインギヤーも意味のない豪雨。
そんな中、23名の選手は優勝の二文字だけを脳裏に刻み、
土浦新港を後にした。

絶好のスタートを切ったのは
渡辺尚昭選手。
ズブ濡れだったが表情は晴れ晴れ。
今年のA.O.Y.レースで最後まで名勝負を演じてくれた好調さは続いているようだ。
本湖北岸を主戦場に、
ノーネイムクランク1/0のDDが絶好調。
2メーターラインを引けばナイスな魚が次々とバイトしてきた。



もちろんリミット達成の4,180g。
素晴らしいスタートダッシュである。

続いては桜川の寝業師・早乙女剛選手。
結果的に初日のビッグフィッシュ賞を獲得した1,790gがモノをいい、
4本ながら3,920gという数字を固めた。



続いて3,750gの豪腕・蛯原英夫選手。



恐怖の「魔人ブゥ」・中村雅晴選手は3,710gで4位。



そしてベテラン赤羽修弥選手が3,590gで続き、



以下、草深幸範、狩野敦、長岡正孝、平本直仁、大藪厳太郎と続いた。

リミットメイクは7選手。
ゼロ申告は4選手。
釣れているともいないともいえる微妙な結果である。
だが、上位に名を連ねる選手たちの好調ぶりを見ると、
下位からの大逆転はないように感じられた。

それでも2日目の天気予報は台風一過の晴天。
高気圧バリバリ。
おまけに台風が生み出した水位上昇、ニゴリ、ゴミ……
それらさまざまな状況変化により、コンディションはイージーとはいえない。
つまり、アングラーとしてのトータルな能力が試される一日となりそうな予感。
ズバリ、W.B.S.クラシックを戦うに相応しい舞台である。

初日の夜に行われる恒例のパーティーでは、
おいしい料理、メーカーさんからのお土産などで
リラックスする選手たちだが、
頭の中は明日の釣りが充満。
とくに、優勝圏内にいる選手は、
気もそぞろなひと時だったろう。
まっ、いろんな意味で
刺激的な一夜を過ごしようだ。





刺激的な一夜といえば…













やめておこう。

その夜、雨は依然として振り続いていた。
風も強い。
なにやら波乱を感じさせる雲行きである。

しかし、雨は未明でピタリとやんだ。
今年のクライマックスは晴天で行われそうだ。



今回のクラシックの選手分布は、北浦、本湖北岸、桜川、そして本湖南岸だった。
初日はそれらさまざまなエリアから魚は抜かれたが、
2日目は台風のおかげで、状況は完全に変わった。
たとえば桜川はインダス川。
行ったことはないが、意味は分かる。
水位はかなり上がった。
水温は低下した。
また、浮遊物に悩まされた選手もいた。



初日トップの渡辺選手はその一人。
「メインエリアが風下だったので……」
まさかの失速に唇をかんだ。

初日に好成績を残して2日目に玉砕した選手も目立った。
狩野選手、草深選手などはその典型。
勝負に出た結果だろうが、惜しい。

逆に、初日には実力を出せなかったが、
2日目に爆発した選手もいた。
村川勇介選手は3,560gと2日目トップの成績。
「プラから釣れる気がしなかったです。今回は」
その結果、初日ゼロ。
2日目は一から出直しで水のいいところ・玉造でリミットメイク。
石田で入れ替えるという、最終ホールのバーディで今年を締めくくった。



大藪厳太郎選手は3,480gと2日目二番目の成績。
「クラシックのキップを最終戦のラスト10分で手に入れたように、
今回もドラマが起きました」
と一挙に4位にジャンブアップして興奮気味だった。



今回のクラシックは、初日に好調だった選手の多くがスコアを叩き出した。
したがって大逆転はない。
初日のベスト10のうち、7選手が最終的に10以内に入った。

初日2位の早乙女選手は2日目も2本ながらしぶとく2,060gを持ち込み
堂々の3位入賞。
なんといっても初日のビッグフィッシュ=1,790gが光っている。
桜川の河口付近。
カレントが当たらない葦際に得意のヤマセンコー・ノーシンカーを落とし込み、
ん? というアタリに反応して釣り上げた。



●早乙女選手タックルデータ
ROD:PALMS EDGE EGC-604
REEL:Daiwa TD-Z
LURE:GaryYAMAMOTO ヤマセンコー4インチ
LINE:Daiwa TDアデス 10lb
RIG:ノーシンカー


最終日のウェイインが進む中で、
一番不気味だったのは今年のA.O.Y.蛯原英夫選手。
初日も3,750gと余裕のリミットメイク。
2日目も安定したウェイトを持ち込めば、
A.O.Y.とクラシックを総取りという偉業を成し遂げることになる。
果たしてウェイトは……2,930g。
うーん、微妙。



初日、境川でいきなりキロアップを獲った蛯原選手は、
小野川のブッシュ撃ちでリミット達成。
2日目は古渡で同じくブッシュ撃ちを敢行。
4本ながら優勝に手が届くウェイトを持ち込んだ。
しかしっ、わずか40g差で準優勝に泣いた。
「でも今日の釣りは楽しかったですよ」
蛯原選手の表情は晴れ晴れとしていた。
ガンターズビルでのバスキャットトーナメントでも
健闘を期待したい。



●蛯原選手タックルデータ
タックル1
ROD:タクティクス・ディトネーター
REEL:スティーズ103HL
LURE:ダイナゴン4in レバー
LINE:バスザイルマジックハードEX16lb
RIG:ノーシンカー

タックル2
ROD:タクティクス・エクスプローラー
REEL:スティーズ103HL
LURE:パワーバルキーホグ3in コーラ
LINE:バスザイルマジックハードEX14lb
RIG:5gテキサスリグ

タックル3
ROD:タクティクス・スーパーノバ・ハスキー
REEL:TD-Z105HL
LURE:コンバットクランク250 ホットタイガー
LINE:フレックスハード16lb
RIG:クランクベイト


さあ、そうなると優勝の行方が気になるが……
表題どおり中村選手が2日目も5本3,010gを持ち込み、
みごと初優勝。
ビッグタイトルを手にした。



2日間をまったく同じエリア、同じ釣りで乗り切った。
場所は玉造のリーズ周り、立ち木周り。
ストレッチで3箇所、それのみ。
プラでも雨でも晴れでも何でもOKだったようで、
魚も非常に濃かったという。
前週のプラで火曜、水曜、木曜と水だけ見て投げてみたら釣れる釣れる…。
もうここしかないと迷わなかった。
リグはパワーバルキーホグの3インチのグリパン5gテキサス。
それのみ。



キモはシンカーの重さ。プラでは5gがいい時と7gがいい時があったようで、
その使い分けを魚に聞いた。今回は5gが正解。
初日はアシにリグを引っ掛けてアクションさせると明確なアタリがあったが、
2日目はン? という不明確なものに変わったそうだ。
水門から濁った水が出始めていたが、
南東の風がそれをブロック。
濁りが拡散しなかったのも幸いしたという。
いずれにせよ、素晴らしい勝利である。



●中村選手タックルデータ
ROD:テンリュウ・シェスタBC 67MH
REEL:スコーピオン1001
LURE:パワーバルキーホグ
LINE:デュエル・トランスリアライズ16lb
RIG:5gテキサスリグ




なお、2日目のビッグフィッシュは
KMCの近所で小野光一選手が釣った1,210gが獲得した。



●小野選手タックルデータ
ROD:フェンウィックエリート68MH
REEL:TD-Z
LURE:パワーバルキーホグ 3in
LINE:サンライン10b
RIG:5gテキサスリグ


こうして、今年のクラシックも無事終わった。
実に見どころの多い試合だった。
我々としても、大いに楽しませてもらった。



全試合を終えた今、W.B.S.をご支援いただいた各位に、
厚く熱くお礼を伝えたい。

来年もみんなでバス釣りを盛り上げましょう。
あなたのチャンレンジを待ってますっ。

(レポート 大和小平)


2007 THANKS SPONSORS
(順不同)


道楽


エヴィスジャパン



ダイワ精工(株)


(有)エバーグリーンインターナショナル


(株)バレーヒル


高橋商事(株)


(株)モーリス


(株)イマカツ


(有)MAX


ゲーリーインターナショナル(株)


(株)フジヤマ


(有)OSP


マルキュー(株)



メガバス(株)



(株)デュエル


(株)ハートマン



(株)天龍


(株)スミス


(株)サンライン


ピュアフィッシングジャパン


(株)ジャッカル


マーキュリーマリンジャパン


バガボンド


大丸興業(株)


メガネのスエナガ


山本光学(株)


バスディ(株)



(株)ラッキークラフト



(株)ゲインコーポレーション



(有)ケイズ


(株)ティムコ



(株)ジムクオーツ



(有)つり具藤岡


プロズファクトリー


うらしま堂渡辺釣具店


(株)ズイール


一竿堂


東レフィッシング(株)


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