勝利を呼び込んだのは
粘りの杭打ち!!
小田島悟・石橋康二チーム
北浦を攻め抜いて第2戦に圧勝!!
2018 W.B.S. Pro Tournament 2nd レポート
選手の立場からいえば、簡単な試合などないのだろうが、今年のW.B.S.は1戦2戦とも、強烈に難しい試合だった。
3月の第1戦は春も浅い季節という理由もあったと思われるが、そこから1か月たった4月の第2戦も超絶タフな環境となってしまった。
潮まわりは小潮で、この時期にしては中だるみのタイミング。
おまけに今回もピーカン無風のレイクコンディションとあっては、タフゲームになるのは当然といえば当然。
さらに代掻きによる濁り、週半ばに降った雨がレイクを別のものにするなどのマイナス要素もあった。
だから皆さん、とても苦労したのである。
上位を占めたチームの戦いぶりを見てもそれは分かる。
5本釣って来たから楽なゲームだったと思われがちだが、みんな苦労に苦労を重ねて魚を揃えて来たのである。
朝一でリミットが揃ったが、それっきりというチーム。
11時までキーパー数本しか釣れずに途方に暮れたチーム。
みんなそれなりにのた打ち回ったのだ。
言えるのは11時ごろまでキーパー数本だったチームは多かったはず。
そこまではみんな並んでいたのである。
だからチャンスはイーブンだった。
そんな中から抜け出したチームがお立ち台を確保したのである。
その差は何なのか?
運やタイミングもあるだろうが、
やはり粘りと頑張りが結果に結びついたと思われる。
諦めない気持ちが栄光をもたらしてくれたのだ。
優勝した小田島・石橋チームの戦いぶりは、まさに「諦めない粘りの釣り」だった。
「噛み合わなければ初戦に続いてゼロ帰着?」
という背水の陣で臨んだ第2戦。
しかしプラでもまったく釣れない。
唯一の救いは鹿行大橋上流の杭でサイズのいいのが釣れたこと。
バックアップも用意しようとしたが、ノー感じ。
当然、22日の試合当日はスタートしてから鹿行大橋上流を目指した。
狙いは2メーターラインの杭である。
しかしこれが予想外に釣れない。
油を流したようなまったりとした湖面では、釣れる気がしない。
しかし、小田島選手はブレない。
迷いが生じた頃、パートナーが一本釣ってくれて「やっぱり杭はあるよな」と考え直す。
「この釣りで頑張るしかない」と撃ち続けるが、続かない。
2時間ノーバイトが続いた。
小田島選手はパートナーに
「この釣りで最後までいくからな」
と宣言したが、心中では「あと15分でやめるかな」と迷う。
だがその15分が30分になろうとする頃、バタバタッと釣れ出した。
その時点で11時を過ぎていた。
そこから1時間に1本のペースで釣れ、結局7本釣って2回の入れ替え。
最終的には5805gという素晴らしいウェイトを持ち込んだ。
このチームに勝利をもたらしたものはテクニックやタックルもあるが、粘りと根性が最終的に機能したといえよう。
具体的な釣りは小田島選手が2mレンジの杭+オダをバスエネミー3.5インチ(プロト)の3.5gテキサスで釣るというもの。
魚の食いが遅いことを察知してからは、リグを落としてからラインテンションを抜いてフリーにして放置。
そこで「モゾッ」というバイトをとっていったという。
FACTのソリッドティップがバイトを伝えてくれた。
パートナーの石橋選手も大いに勝利に貢献した。
ネタはリングワームの3.5gダウンショット。
霞ケ浦ではコンフィデンスを持っているこのリグで小田島選手を大いに助けた。
●タックルデータ
小田島 悟
Tackle1
Rod: Evergreen International FACT HFAC 67MH ST
REEL: DAIWA ピクシー
LINE: Evergreen InternationalバスザイルR 14lb
LURE: Evergreen International バスエネミー3.5(プロト) Dパンプキン
RIG: 3.5g テキサスリグ
石橋康二
Tackle1
Rod: Evergreen International テムジン カレイド インスピラーレ スティングレイ スーパーシェイク
Reel: ABU LTZ
LINE: サンラインFCスナイパー10lb
LURE: 3.5 in リングワーム
RIG: 3.5g ダウンショット
一方、準優勝の村川勇介・君和田知之のゲームは優勝チームとは正反対。
エリアこそ北浦上流で同じだったが、このチームはスタート後1時間でリミットメイク。
ほぼほぼ5kgのウェイトを確保したが、その後が続かない。
帰着までの長~い時間を苦しまなければならなかったのである。
水温上昇が比較的ゆっくりな北浦上流をエリアに決めたこのチームは東岸と西岸にプロダクティヴなスポットを持っており、それぞれから順調に魚をゲット。
しっかりと深場に続くハードボトムを村川選手はフォールスティックのノーシンカー、フォールクローラーのネコリグで攻めて行った。
パートナーの君和田選手は得意の4inヤマセンコーのノーシンカーを超デッドスローに引いて、スプーキーなバスに口を使わせた。
●タックルデータ
村川勇介
Tackle1
Rod:エンジン スペルバウンド サーキットクラス SBCC 608 T2
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE:DUEL プロト10lb
LURE:フォールスティック
RIG:ノーシンカー
Tackle2
Rod:エンジン スペルバウンド コア 66プロト
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE:DUEL プロト10lb
LURE:フォールクローラー5
RIG:スナッグレスネコリグ
君和田 知之
Tackle1
Rod:Evergreen Internationalウォーリア ライト66L
REEL:Daiwa ピクシー
LINE:サンライン BMS AZAYAKA 10lb
LURE:ゲーリーインターナショナル ヤマセンコー 4in
RIG:ノーシンカー
3位の橋本卓哉・清水綾チームは小田島パターン。
つまり後半巻き返し組みだった。
金曜日のプラでは北浦上流で面白いように釣れ、「これは行ける」と確信。
3番フライトを利してカッ飛んだが、どうしたことか釣れない。
魚が消えてしまったのである。
「頑張っていれば食うタイミングが来る」と信じてリグを打つが、11時までにわずか2本!! ヤバし!
まさに小田島組。
そこでバックアップに用意していたシャッドパターンにシフト。
風がなくても、そんなの関係ねー、と鰐川や外浪逆浦の岩盤を打てば、来ましたねー、これが。
キモはシャッドのカラー。
プラでは薄めが良かったので、
SLPワークスがキープキャストで配った非売品を導入。
この色にしか喰って来なかったという。
パートナーの清水選手は得意の必殺ヤマセンコーで橋本選手を少なからず助けた。
橋本卓哉
Tackle1
Rod:DAIWA Steez 06ブリッツ
REEL:DAIWA SS Air SLPシャッドチューン
LINE:DAIWA ブレイブZ タイプフィネス 10lb
LURE:SLPWORKS スティーズシャッド イベントカラー
清水綾
Rod:ベイトキャスティングロッド
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE:フロロ 12lb
LURE:ゲーリーインターナショナル ヤマセンコー
RIG:ノーシンカー
4位は水のいい常陸利根川で職務質問されながら着実にキーパーを重ねた長岡正孝・早乙女剛のベテランチーム。
長岡選手はストレートワームのネコリグ、
早乙女選手はジャッカルのネコフリックを駆使して、ナイスサイズを釣り続けた。
5位は釣れない状況を覚悟して、マリーナ横の石積で500gを3本確保してから、各地をラン&ガンした松村寛・小野将大チーム。
風が吹いたタイミングでグッドサイズをゲットした。
ネタは松村選手がPTデバイス+HPシャッドテール、小野選手もHPシャッドテールのヘビダンだった、
ビッグフィッシュ賞を獲得したのは古澤学・鈴木将之チームの1775g。
東関道下のテトラにトルキーストレートを入れて食わせたものだ。
こうして、初戦に続いて難解な第2戦が終わった。
ワンデーのトーナメントが2回終っただけだが、早くもA.O.Y.レースに照準を絞っている選手もチラホラ。
これからW.B.S.は中盤戦に入り、ますます熾烈な戦いが繰り広げられるのである。