11月2日3日の両日、霞ケ浦・北浦を舞台に行われた第32回W.B.S.クラシックにおいて、今井新選手は初日3本2060g、二日目2本1210gを持ち込み、トータル3270g。昨年に続き堂々の連覇、そして3度目の優勝を成し遂げた。
今年、会場をS.D.G. Marine YOKOTONE BASEに移して開催されたW.B.S.クラシックは、シーバスチャレンジなどの画期的企画も実施され、さらに人気メーカー各位のブース参加、SUV車の展示なども行われるなど、一段と厚みを増したイベントに生まれ変わった。それ故、会場にお運びいただいた方々も、カップルや家族釣れ等、バラエティーに富んでいた。
所狭しと居並んだキッチンカーも美味しいモノばかり、お昼時には列をなしていた。
そんな中で選ばれし13選手が参加したクラシックだったが、状況は相変わらずイージーとはいえず、とくに一日中降り続いた初日の豪雨は選手のメンタルを崩壊させ、一転して晴れた翌日はパターンの完全崩壊をもたらし、全選手がのた打ち回ることとなった。
それでも初日は所謂雨パワーというべきか、13選手中10選手が魚を持ち帰った。
一段と脚光を浴びたのは過去のチャンピオン、松村寛選手。会場そばの北利根川に「聖地」を発見。雨で本流が底荒れした中、魚は水が動かないベジテーションの中に潜んでいることを察知して、ドライブビーバーのテキサスリグを落として一瞬の時合を捉えて3本の魚を獲った。ウェイトは2630g。初日のトップウェイトである。
ディフェンディングチャンピオンの今井新選手も相変わらずしぶとく釣って来た。プラではあまり魚を触れなかったので「本戦は魚を探すつもりで入ろう」とスタートした。通常は8割が「打ち」の釣りを展開する同選手だが、この日は超ローライト。従って5割を巻き物にシフトして魚を探しまくった。
スタート直後に51号の橋の下の葦で1本、麻生の石積みで1本。スピンナッツを60から50にサイズダウンさせたことが勝因だった。圧巻は帰着1時間前に木原の木ジャカで釣った1225g。初日のビッグフィッシュ賞を獲得した魚だが、これがトータル2060gという好ウェイトのベースとなった。ルアーは今年稼ぎまくったスピンナッツ65の「増毛チューン」。
病癒えて勇躍参加した大藪厳太郎選手も健闘。2本1490gを持ち込み、「剛腕」蛯原英夫選手も新発売のクローモーションを炸裂させて2本の魚をモノにした。
初出場のP.O.Y(パートナー・オプ・ザ・イヤー)篠崎優希選手、Aプロルーキーの鯉河健一選手もそれぞれ2本の魚を持ち帰った。
逆の意味で周囲を驚かせたのが今年のA.O.Y.・大石智洋選手。アッと驚くゼロ申告で会場をどよめかせた。
こんな感じの初日だったが、二日目は前述のように打って変わって快晴強風。この変化には多くの選手がなすすべもなく、6選手をゼロ申告させてしまった。
そんな中で一段と光り輝いたのが馬路久史選手のビッグフィッシュ=1730g!! これには満場が度肝を抜かれた。恋瀬川の国道とJR鉄橋の間の本流の浅い方でKEITECベイビーTボーンスピナーベイトをゆっくり引いて仕留めたモノ。これが効いて馬路選手は順位を一気にジャンプアップさせた。
初日に霞ケ浦各地をラン&ガンして2本の魚を持ち帰った篠崎優希選手は2日目もしぶとかった。霞ケ浦東岸のサンドバーからキロアップを抜き出し、これが効いて3位。初出場で堂々の3位入賞を遂げた。バスボートを運転し始めて1か月での入賞はオドロキである。
2日目も相変わらずしたたかだったのが今井選手。霞ケ浦本湖東岸でじっくり粘り2本の魚を確保した。4.5インチドライブクローラーの3.5gベイトカバーフィネス、3.5インチドライブビーバーの7gフリーリグという適材適所が冴えて1210g。これが効いて堂々の優勝を勝ち取った。
惜しかったのが松村選手。二日目も同じエリアに入ったが、ナイスサイズのフックアウトやノンキーに災いされ1本455gで準優勝に泣いた。
こうして2024W.B.S.クラシックは話題も豊富に終了した。初めての試みがたくさんあったのでいろいろ刺激的で得るものも多かった。ゲーム内容もイベント内容も、互いに劣らず歴史に残るものだった。
選手の皆様やスタッフ、そして関係者各位のご努力に敬意を表したい。
皆様、今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
※表彰式の録音に不具合が生じたので古田ひろよし氏のデータを借用した。この場を借りてお礼を申し上げたい。