世界が「二度見」した11kgオーバー!!
大石智洋・新倉裕司チーム
後続を50馬身離して圧倒的勝利!!
2024 W.B.S. pro team tournament 3rd
2024.6.8-9
昔の7本リミットのW.B.S.を思い出せば単日10kg超えというスコアも珍しくなかったが、5本リミットさえ至難の業という昨今の霞ヶ浦・北浦の状況を鑑みると、単日5kgでさえ夢の数字に思える。そんな華々しい釣果は生きているうちには拝めない……だろうと悲観していたら、なんと意外にあっさりとやってのけてしまったチームが出た。
それが6月8,9の二日間、土浦新港を起点に31チームが参加して開催された第三戦。
初日の5kg超えで周囲を「アッ」といわせたチームが二日目もほぼ同じウェイトを持ち込み、11kg380gという圧倒的なスコアで優勝したのだ。
準優勝チームとの差は5920g!!
ダブルスコアでの勝利は、競馬に例えるなら優勝馬がゴールした時には後続はまだバックストレッチにいる、そんな状況だった。
そのチームとは大石智洋・新倉裕司チーム。
いうまでもなく二日間で10本というフルリミットを達成しての勝利である。
大石選手は初戦に続き2勝目。まだ予断は許されないが、A.O.Y.レースの先頭に立った。
それでは二日間の状況を振り返ってみよう。
天気は初日晴れ、朝は微風だったが、次第にやや強めの東風が吹いた。
二日目は曇り時々晴れで風は微風。気温は両日とも昼で20℃チョイ、水温も同じようなものだった。従って、大風が吹き、大雨が降るという最悪の気象条件とはいえない。むしろいい方だろう。
しかし、全チームを悩ませたのが大減水。試合前に大雨が降ったことから、直前に水位が落とされ、前プラの金曜日には一見してわかるほどの減水。
一週前には比較的良く釣れていたシャローを沈黙させてしまった。当然、一挙に釣況は悪くなり、多くのチームを途方にくれさせた。
各チームの分布を見ると、霞ケ浦本湖を初めとして北浦本湖、北利根川、外浪逆浦、そして霞ケ浦本湖に注ぐ流入河川などに散らばったが、釣果的に魚を固めたエリアはなかった。様々なスポットを巡って拾い釣りを試みた結果といえよう。
優勝チームも古渡、北利根川、外浪逆浦、鰐川、常陸利根川などのエリアを回って、それぞれのスポットから魚を重ねて行った。他チームとの違いは1時間に1本程度でも、それぞれのスポットから魚を確実に釣ったこと、そしてサイズが良かったことだ。
11kgオーバーという景気のいい結果を見ると、あたかもボコボコに釣れたような印象を受けるが、話を聞いてみるとスローな釣りを地道に繰り広げた結果と理解できる。だから決して楽な二日間ではなかった。
ご多分に漏れず大石チームも前週のプラでは絶好調だったようだ。
しかし前日のプラでは釣れない。前述のように減水の影響であろう。状況が変ったことを察知した。そこで方針転換。時期的にもアフターであり、スローな釣りを地道に行うことを決意。その判断が結果的に大正解だった。
大石選手のメインリグはゲーリーヤマモトの4インチグラブのテールカットにラバーをチューンしたもの。スローフォールさせるためである。
これで魚の80%を獲った。
20%は同じくゲーリーヤマモトのウキタヌキのテールカットに0.3gのネイルシンカーを入れ、サスペンド仕様にして浮いてこない魚を迎えに行った。
大石選手はこれらのリグを前述のエリアの水のきれいなシャローのアシに撃ち、吊るし、ステイ、サイトなどのテクを駆使しで攻略していった。ミスはゼロだった。
パートナーのランナー・新倉選手もタヌキの大石チューンで初日、貴重な1本を獲った。
大石選手は
「二日間とも1時間に一回ずつ奇跡が起こりました。自分でもビックリしています」
と語っていたが、初日の7本目は古渡のブッシュの奥の奥、さらにその奥で魚を掛け、ロックされた中から手を変え品を変え、なんとか引き摺り出したように、絶対に獲ってやるという諦めない根性も無視はできない。
毎週土日はほぼ湖に浮いているという大石選手。その積み重ねが前日のプラでの状況変化を感じさせ、方針変更をもたらしたのであろう。釣れている時の釣りを除外することはなかなかできないが、練習の積み重ねが正解に導いた。まさに練習は嘘をつかなかったのである。
準優勝は松村寛・佐藤善幸チーム。
このチームもいろいろなエリアを回ったが、キーは花室川。
松村選手はO.S.PのHPFクランクを駆使して二日目に1500gフィッシュを獲り、ハートナーの佐藤選手も花室でジャッカルのワムワムフレアーやエバーグリーンインターナショナルのスタビル+ドライブビーバーなどで貴重なキーパーを獲った。
「減水で魚の動きが見えていませんでしたが、釣れた魚のサイズが良く、ラッキーでした」と松村選手は語っていた。
パートナーの佐藤選手も二日間で3本の魚を獲り、準優勝に大いに貢献した。
3位は草深幸範・山口将司チーム。
「優勝だけを狙ってトップウェイトを出せる釣り」にフォーカスして浚渫で勝負をかけたが、二日間2本ずつでトータル5kgジャスト。タイミングを合わせて美浦、古渡、西の洲などをローテーションして入り直したが、若干消化不良でゲームを終えた。しかし初日の1620gはビッグフィッシュ賞を獲得した。
パートナーの山口選手も二日目に1500gフィッシュを獲り、入賞に貢献した。
4位は大藪厳太郎・村崇太チーム。
W.B.S. Youtubeチャンネルで配信中の「勝者の動画」の釣りを、第3戦においても行ったとのこと。※勝者の動画とは、各戦の優勝者に優勝した際の攻略法を後に再現してもらう動画のこと。
北利根川をメインに、スキップドッグのイラガチューンを駆使して、今回は早目の釣りで初日4本、3580gで2位スタート。
2日目はバイトがなく苦労したが、常陸利根川で村選手が野良ネズミをドッグウォークさせて貴重な1kgフィッシュを獲り、お立ち台をゲットした。
そして5位は二日間、北浦上流を攻めてHMKLバズ、カバースキャット、野良ネズミなどを効果的に使った小野将大・鯉河健一チームだった。
ちなみに二日目のビッグフィッシュ賞は今井新・中川雅裕チームが西浦のブッシュに入れたスピンナッツ65のノーマルに来た1700gが獲得した。
こうして6月の2デイが終わった。優勝チームのウェイトには驚かされたが、他チームの釣りも大いに見どころがあった。気が早いかも知れないが、霞ケ浦。北浦の復活を感じさせる結果でもあり、今後の推移が大いに注目される。
選手の皆さん、関係者各位、お疲れ様でした。