鮮烈の小野川決戦!
凱歌を上げたのは坂田泰信・苅部裕一チーム
2022 WBSプロトーナメント 第二戦レポート
3月の第一戦から約一か月後の4月24日。
W.B.S.プロトーナメント第二戦が行われた。
今回も無事に試合が開催されたことに喜びを感じる。
健康の大切さを感じるのは病気に罹った時だ。
同じように、トーナメントが出来ない状況に襲われると、普通に開催されることの有難さがわかる。
今回は土浦スタート。
何故か故郷に帰ったような安堵感に包まれる。
37チーム(棄権1チーム)も同じ感慨を受けただろう。
なんたって土浦新港での朝陽に向かってのスタートは世界遺産ものだからだ。
今回はまさにW.B.S.の定番の檜舞台が用意されたといっていいが、状況は過酷だった。
予報は曇り、晴れ、雨。
風はスタート時は土浦で1か2というものだったが、未明からやや強い冷たい北東風が吹きまくった。
トーナメントの開催を躊躇させる風ではないが、とても寒い。
その風は本湖ではさらに強さを増していた。
昼ごろには風も弱まりやや暖かくなったが、結局一日ローライト。
4月下旬にしては肌寒い一日となった。
そして帰着する頃、小雨が降り出し、ウェイインや表彰式が行われた頃は本降りになった。
話は朝に戻る。
第一フライトが終了したのは6時前。
その後、順調に各フライトは霞ケ浦に漕ぎ出して行った。
ボートの多くは霞ケ浦南岸を目指した。
あとは桜川、田村方面に数艇がバウを向けた。
しかし1時間も経過すると、多くのボートがあるエリアに密集した。
そこは
↓
↓
↓
小野川中流域だった。
そう、今回は春の魚がいち早く差してくる小野川がキーエリアとなり、そこで船団が形成され、熾烈な争いが繰り広げられたのである。
その戦いを制したのは
坂田泰信・苅部裕一チーム。
トレーラーウェイインの最後にやってきて5kgオーバーを見せつけた。
前日のプラでは短時間で10バイトを確認したほどの手応えを感じ「これは優勝するかも」という感触を得たという。
エリアとして候補に挙げたのは流入河川。
「相対的に水温が高く20℃にかかるエリアを基軸に、プリスポーンからアフタースポーンまでの様々なモードの魚が集まるエリアに絞ってプランを煮詰めた」とのこと。
中でも魚が濃いと確信した小野川に決定した。
しかしフライトはサードの30番。
エレキのバンドが外れたこともあって、ゆっくり走っていたら小野川到着は最後。
すでに結果的に上位を占めたボートが多数並んでいた。
当然、第1候補には入れない。
第2候補もダメ。
そこで5候補の中で空いていたスポットに入ったらこれが大正解。
怒涛のラッシュが訪れ8時半までにリミットメイク。
12時までに11本の魚を釣るという酒池肉林を味わった。
まさに残り物には福がある、である。
ネタはスタッガークロー3.3のズボラリグとストレートワームのネコリグだったが、当日はローライトでシェードが機能せずネコリグを指名。
その際、ソリッドティップのロッド「マッカ67MST」がキモになったという。
「1.5から2g前後のネコリグをキャストするのもままならない強風の中狙ったのは小さなアシのポケットやその手前のブレイク。
風と流れを避けて小魚が集まるような場所だったので、ラインメンディングをしながら一本のアシや小石一つの感触を繊細なティップで感じ、場を荒らさないように操作することでバイトまで持ち込むことができました」
とは坂田選手の弁。
W.B.S.参戦5年目の初優勝。
1年目はすぐに勝てるとの自信を持っていたが、
2年目に奈落の底へ。
3年目4年目はコロナにやられ、
そのおかげか、5年目の今年は肩の力を抜いて試合に臨めるようになったという。
すると初戦で3位。
パートナーの1フィッシュが入賞をもたらしたわけだが、もちろんシラウオが居るエリアを探して指名した坂田選手の功績である。
そして2戦目で優勝をもぎ取った。
ウェイトの数字も堂々たる勝利である。
この数字を見れば、霞ケ浦も盛り下がることはないだろう。
坂田選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:ハイドアップ マッカ 67MST
REEL:ベイトリール
LINE:フロロ10lb
LURE:O.S.Pドライブクローラー4.5 ネコリグ
フィーディングで差して来ているバスをイメージ。ネコリグを強風の中でもキャストしやすく、アシの一本、小石の一つ一つを丁寧に使いながら操れるソリッドティップ。そして、しっかりフッキングを決められるバットパワーを兼ね備えるマッカ67MSTが大活躍でした。
Tackle2
ROD:ハイドアップ マッカ67MH
REEL:ベイトリール
LINE:Eフロロ14lb
LURE:ハイドアップ スタッガークロー3.3インチ ズボラリグ3.5g
日が出たタイミングでプリスポーンのメスをイメージし、倒れたアシなどを使い水面直下で誘いました。当日はネコリグに軍配。
そして、最後に入れ替えのナイスフィッシュを獲ったパートナー・苅部選手の働きも見逃すことはできない。
プラではバイトを感じるものの、フックオフしなければならないフラストレーションを本戦で一気に解消した。
苅部選手は今年W.B.S.初挑戦。
そして2戦目に優勝するというシンデレラボーイ?である。
苅部選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:Evergreen International タクティクス ウォリアー
REEL:ベイトフィネスリール
LINE:12lb
LURE:O.S.Pドライブクローラー4.5グリパンみみずぅ1/16オンス ネコリグ
アシ奥、アシ際へのピッチングです
準優勝は長岡正孝・渡部博昭チーム。
今回は北浦を封印した長岡選手、昔の庭である霞ケ浦・西浦でゲームを展開。
田村の木ジャカでポロっと釣れたプラがそのエリアを決定させた。
サードフライトも全く関係ない近場に行って釣りスタート。
すると渡部選手のストレートワームに1300gフィッシュが。
長岡選手はプラではオマタスティックで釣れていたが、渡部選手が2本目もストレートワームで釣ったので、急きょピンコストレートに変更。
するとこれがビッグフィッシュ賞に輝いた1800gを仕留めた。
これで3本ながら4635gというナイスウェイトを固めた。
二人で木ジャカのインサイドを丁寧に打ったご褒美であろう。
長岡選手 タックルデータ(BIG FISHもこのタックル)
Tackle1
ROD:Magabass Brand New DESTROYER F2-60X(CRIFFHGER THRILLING)
REEL:DAIWA SS-AIR8.1R
LINE:フロロ10lb
LURE:霞デザイン ピンコストレート5.8インチ(霞グリーンパンプキン)1/16ozジグヘッドワッキーリグ
渡部選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:NoriesストラクチャーNXS650M
REEL:ベイトリール
LINE:10lb
LURE:ジャッカル フリックシェイク
木ジャカの真下に落とす
Tackle2
ROD:NoriesストラクチャーNXS650M
REEL:ベイトリール
LINE:10lb
LURE:ベイトブレス バイスクロー ヘビーダウンショット
3位はやはり小野川から4本3780gを持ち込んだ赤羽修弥・高木学チーム。
フライトがサードだったのでいったん土浦周辺に向かうも先行者がいたので小野川、圏央道下周辺に。
しかしここも満員御礼状態。
空いているところでゲームを始めれば高比重ワームで1本、ケイテックのバックスライド系ワーム(プロト)で2本とまずまず。
釣れないと家に帰れないパートナーもイマカツ・フラッシュリンプで1本獲り、平和な生活を確保した。
赤羽選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:DAIWAスティーズブラックジャック
REEL:DAIWAスティーズCT-XH
LINE:DAIWAクロスリンク14lb
LURE:KEITECH バックスライド系プロトワーム
Tackle2
ROD:DAIWAスティーズレーシングデザイン66M
REEL:DAIWAスティーズCT-XH
LINE:DAIWAクロスリンク14lb
LURE:高比重スティックワーム
高木選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:ベイトロッド
REEL:ベイトリール
LINE:フロロ10lb
LURE:IMAKATSU フラシュリンプ
4位は桜川と本湖・西浦でリミットを揃えた小島貴・渕井守チーム。
自信があった桜川が減水で2本と誤算。
そこで西浦のドックを周り、クラッチヒッターで3本獲ってスコアをまとめた。
5位はファーストフライトの1番という絶好のフライトを利して小野川に飛んだ草深幸範・田口晃チーム。
二人ともスモールジグでプリのメスを仕留めた。
こうして久しぶりの土浦スタートの試合は幕を閉じた。
トータルな結果としては、最盛期には遠く及ばないものの、まずまずの釣れ方だったと思われる。
今回も無事にトーナメントが開催できたことに感謝したい。
関係各位、お疲れ様でした。
レポート・大和小平