安藤毅・篠崎優希チーム
真夏の流入河川バトルチャンプに!
2022 WBSプロトーナメント 第4戦レポート
梅雨明けがとても早かった今年。
灼熱の夏は6月から訪れた。
連日、うだる様な暑さが続き、エアコンなしでは寝ることはできない。
その暑さは7月に入って凄みを増し、ピークに達しようとしていた。
中旬には一瞬、梅雨時のような曇天が続き、一瞬涼しさを与えてくれたが、それはフェイントに過ぎなかった。
試合当日の7月24日は、未明から朝にかけては涼しかったが、8時を過ぎると太陽が顔を見せ、容赦ない日差しを注ぎ始めた。
おまけに風も吹かない。
まるでサウナ状態の霞ヶ浦。
そんな中で第4戦は37チーム74名が参加して開催された。
1デイだが、年間を視野に入れると重要な試合。
とくにローウェイト戦が続く2022年だけに少しでも数字を積み上げることが肝要だ。
そんなことは先刻ご承知の各チーム。
入念なプラを重ねて本戦に臨んだ。
しかしフィールドコンディションは相変わらず超絶タフ。
全チームがのた打ち回る展開が予想された。
「まあ3本獲れれば御の字でしょう」
そんな控えめな皮算用が一般的だった。
さて、一般的にこの時期のキーワードはシェードと水通し。
魚も本能的に棲みやすい環境を求める。
従って、多くのチームが流入河川を目指した。
ド減水のシャローは温泉と化した本湖では釣れる気がしないのは当然である。
ゆえに今回は流入河川バトルとなった。
多くのチームが様々な河川でキーパーを求めたのである。
そんな中で、タイミングを逃さず魚をモノにしたチームが上位を占めた。
もう一つ今回の試合で印象的だったのがノンキー。
多くのチームがノンキーラッシュを味わった。
今まで、釣れないレイクでノーバイトの釣りを余儀なくされていたアングラーにとっては
ノンキーでも嬉しいはずだ。
竿が曲がればとりあえず面白いからだ。
6月末に新利根川で行われたJLBAペアトーナメントにおいても、小さい魚が良く釣れた。
これは近未来の霞ケ浦に大いなる期待を抱かせる事象だろう。
バイオリズムが上向きになっている印象を受ける。
今後が楽しみである。
そして意外に水がクリヤーアップされていたことで、サイトを駆使したチームが多かったのも今回の特長といえよう。
さて、そんな第4戦を制したのは安藤毅・篠崎優希チーム。
4本4260gというまずまずのスコアだった。
安藤選手にとって夏はマイシーズン。
暑ければ暑いほど気合が入る。
気合が入り過ぎて衣服をかなぐり捨てることもあるとか。
そんな安藤チームも主戦場は流入河川。
ていうか清明川など本湖南岸に注ぎ込む河川は、常に得意エリアだ。
状況の変化にも即応できる経験値を持っている。
安藤選手は水曜から休暇を取得して、熱心なプラに励んだ。
色々な川をチェックして、風、雲の動き、水の変化などを細かく把握したうえで、タイミングを研究したという。
テーマは「素直に」。
季節を感じるままに本能で釣りをしたという。
意識したのはエビ。
その動きを見逃さず、具体的に釣りにつなげた。
スタートも味方した。
ファーストの7番。
ほぼ好きな所を目指せた。
メインベイトはレイドジャパンのファンタスティック。
お腹にネイルを入れて、エビっぽい動きを演出した。
ミスもあったが、直後に釣れたりして流れを取り戻した。
安藤選手の優勝は久々だが、ボートをメンテしてくれたサムライさん、タックルをサポートしてくれるレイドジャパンさん、そして休暇をくれた会社に感謝していた。
パートナーの篠崎選手の貢献も大きい。
オマタスティックのノーシンカーで安藤選手の釣り残しを逃さなかった。
タックルを見せてもらったが、ベイトフィネスの見本のようなピーキーなセッティングだった。
安藤選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:Raid Anti Joker
REEL:ベイトリール
LINE:フロロ10lb
LURE:ファンタスティック 4.8 ネイル
Tackle2
ROD:Raid Maximum プロト
REEL:ベイトリール
LINE:フロロ12lb
LURE:エグチャンク3 5gチェリーリグ
Tackle3
ROD:Raid Maximum Solid Max XL
REEL:スピニングリール
LINE:フロロ4lb
LURE:マイクロ 2WAY 1.6 ジグヘッドワッキー
篠崎選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:メガバス デストロイヤー F4-66x CYCLONE
REEL:ダイワ アルファス Air 7.2 L
LINE:フロロ12lb
LURE:霞デザインオフィス ハイパーオマタソフト 3 ノーシンカー
準優勝は大石智洋・高木典之チーム。4本4160gで首位とは100g差だった。
大石チームのプランは確率の高いエリアで時間を使いじっくり釣るというもの。
小野川をメインに様々な川を攻めたが川で1本、本湖ブッシュで1本、そして花室川で2本という内訳だった。
12時の時点で2本しかライブウェルに入っておらず、かなり苦労したとか。
川ではヤマミミズでのサイト、ブッシュではファットヤマセンコーを駆使した。
大石選手はパートナー・高木選手の働きを高く評価しており「これぞチームトーナメント」というコメントを残してくれた。
大石選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:スピニングロッド6.9ft UL
REEL:ダイワ バリスティックLT 2500S CXH
LINE:バリバス PEライン0.2号+フロロ1.2号
LURE:ゲーリーヤマモト ヤマミミズ
Tackle2
ROD:6.10ft MH ソリッドティップ仕様
REEL:ダイワ SS Air
LINE:サンライン BMS14lb
LURE:ゲーリーヤマモト ファットヤマセンコー 4gスゴイシンカー
高木選手 タックルデータ
Tackle 1
ROD:ハイドアップ マッカ 67MST
REEL:ベイトリール
LINE:サンライン FCスナイパー12lb
LURE:フルリブのスティックベイト・グリパンチャート フリーリグ3.5g
3位はベテラン中根亘・小濱利光チーム。
やはり流入河川狙いで、具体的には清明川と花室川。風や水などのタイミングを見て何度も入り直し、全チーム中唯一のリミットメイクを果たした。
リグも多彩で、中根選手がノーハンカー、トップウォーター、小濱選手がバックスライド、ネコリグ、クランクベイトなど様々なルアーを駆使した。
中根選手 Tackle データ
Tackle1
ROD:ダイワ エアエッジ 671 MB-ST-E
REEL:ダイワ SS SV 103 SH
LINE:ダイワ フィネスブレイブZ 8lb
LURE:ケイテック パドリンビーバー3.5 3.5gフリーリグ
Tackle2
ROD:ダイワ ブレイゾン641 LS-V
REEL:ダイワ AEGIS 2506H
LINE:ダイワ タトゥーラセンサー×8+si 17lb
LURE:Wild Mouse
Tackle3
ROD:ダイワ ブレイゾン 641MLS-V
REEL:ダイワ AEGIS 2506H
LINE:ダイワ タトゥーラセンサー×8+si 17lb
LURE:高比重ワーム ノーシンカー
小濱選手 Tackle データ
Tackle1
ROD:ダイワ スティーズ ウェアウルフ
REEL:ダイワTN Limited 8.1
LINE:サンライン FCスナイパーBMS アザヤカ 8lb
LURE:O.S.P ドライブスティック3.5 バックスライド
Tackle2
ROD:ダイワ スティーズ ウェアウルフ
REEL:ダイワ アルファス Air
LINE:サンライン FCスナイパーBMS アザヤカ 8lb
LURE:O.S.P ドライブクローラーネコ
Tackle3
ROD:ダイワ スティーズ ブリッツ
REEL:ダイワ ジリオン SV TW
LINE:サンライン FCスナイパー 12lb
LURE:O.S.P タイニーブリッツ DR
4位はスノヤハラからクォリティーな魚3本を持ち返った西村嘉高・渕井守チーム。
奥のワンドの上澄みにクルーズしている魚にロックオン。
魚を追い込んでノーシンカーやバックスライドで口を使わせるというワザが冴えまくった。
5位は本湖下流をメインに釣り切った今井新・鈴木涼太チーム。
今井選手がドライブシャッドノーシンカー、鈴木選手はブルスホッグ・テキサスと釣り分け、しぶとくお立ち台を確保した。
なおビッグフィッシュ賞は園部川の葦でバイスクロー2.5のダウンショットを炸裂させた橋本卓哉・渡部博昭チームの1890gが獲得した。
渡部選手 タックルデータ
Tackle1
ROD:ノリーズ ストラクチャー NXS 650m
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE:バリバス DEAD OR ALIVE 10lb
LURE:ベイトブレス バイスクロー 2.5 5g ダウンショット
こうして酷暑の中の第4戦は終った。
37チーム中リミットメイクは1チームのみと、今回も渋い結果だったが、好転のキザシは確実に見えている。
9月の最終戦は恐らく華々しいゲームが繰り広げられることだろう。
実に楽しみである。
レポート・大和小平