A.O.Y. Takes All!
草深幸範、柏木健作チーム、
7kgオーバーのウェイトを引っ提げて、
初代チャンプに!
2017 W.B.S.ジャパンオープン
スキータージャパンカップ
内外の絶大なる注目を集めて行われたW.B.S.ジャパンオープン、スキータージャパンカップ。
この久々のオープン戦に用意されたウィニングプライズは1million!
それだけでも話題を巻き起こしたが、このお祭り的なイベントに馳せ参じたメンツも凄かった。
西からは魂のアングラー・菊元俊文選手、ミスターHIDEUP・吉田秀雄選手、西のトシ・北山利通選手らが出張ってきた。
関東からも ブラバス・千藤卓選手、房総のツルカツ・鶴岡克芳選手、マサ斎藤こと斎藤真也選手、ミスターBMC・千葉恒太選手、そしてファイボス・西村嘉高選手らのビッグネームが顔を見せてくれた。
さらに、普段はW.B.S.のバックシーターで試合に挑んでいる多くのBプロ諸氏も、今回はボーターとして勝負してきた。
これで盛り上がらないわけはない。
果たしてどんな結果が待っているのか、世界中がその帰趨に注目していたが、やっぱり乗っている人は強い! 今年のA.O.Y. 草深幸範選手は柏木健作選手と組んで優勝! ビッグタイトルを続けてかっさらってしまったのだ。
話を9月16日未明の土浦新港に戻そう。
開門の4時にはまだあたりは真っ暗だが、選手とスタッフが三々五々、新川の橋を渡ってやって来た。
いつものW.B.S.レギュラー戦とは少し違った雰囲気だ。
気がつけば北東系のそよ風が吹いている。そして寒い。選手は皆、防寒着仕様である。
そしていつものライブウェル、コンテストバンドチェックなどが行われ、いよいよ本部集合。
簡単なブリーフィングが行われる。
居並ぶは前述のビッグネームの面々。
オールスターの試合前のようだ。
朝マズメを逃したくないW.B.S.のスタートは早い。
日の出は5時21分。
すぐにランチングだ。
W.B.S.選手にとっては慣れた手順だが、未経験の選手には異例の早さ。
トイレに行く暇もない。
そしてW.B.S.名物、朝日に向ってのスタート。
16日もうっすらと朝日が出ていたのである。
スタートラインを超えてプレーニングに移る時、選手は最高の興奮を覚える。
「うーん、シビレル! これがバストーナメントなんだ!」
そういった意味では、バストーナメントのスタート地点として、土浦新港は日本一だといえる。
さて、16日の状況だが、前述のように朝は寒かったが次第に気温も上がり、過ごしやすい日並。
風もまあまあ吹いていたが、釣りを躊躇させるほどではなく、各チーム、思い思いのエリアでトローリングモーターを降ろしていた。
今回も霞ケ浦全域、北利根あたりを取材に回ったが、
西浦、玉造、牛堀周辺で多くのボートを発見した。
いつもこうして取材しているが、釣っている現場に遭遇するのは稀である。
しかし今回は3チームが魚を釣っているのを目撃した。
昼近くになって、霞ケ浦はまったりと凪いだが、湖上では激しい戦いが繰り広げられていたのである。
台風18号はまだまだ九州のずっと手前。
霞ケ浦は嵐の前の静けさを見せていた。
そんな試合を制したのは草深幸範・柏木健作(Bottomup)チーム。
台風の接近により二日目がキャンセルされた結果である。
草深選手も
「どうなるかわからないので、とりあえず今日目一杯釣ってきます」
と朝一に語っていた。
このチームは朝一、川尻のジャカゴに寄ってビッグフィッシュ賞に輝いた2060gを釣るなど、
いきなり絶好調。
川尻行きを迷っている草深選手の背中を
「迷っているなら行った方がええんちゃう?」
と押した柏木選手のファインプレーである。
こうなると2本目を目指してしばらくそこで粘るのが通例だが、
深追いしなかったのが二つ目の勝因。
予定通り西の洲の浚渫まで走って、じっくりとキャロを駆使して3本追加。
合計4本となったが、続かない。
しばしの沈黙。
そこで下のエリアから北利根まで回ってリミットを目指す。
しかし世の中そう甘くない。
初心に帰り西の洲に戻り、柏木選手とプチラッシュを演じて3回の入れ替え。
結果的に7kgオーバーというメガウェイトをマークした。
草深選手のエリア選択のキーはベイト=シラウオ。
それが岸際でなくチョイ沖を遊弋していることをプラで察知して、
ベイトが固まっているスポットを重点的に攻めていった。
川尻のジャカゴもそういった基準でセレクトしたのである。
西の洲のキャロもベイトがらみなのは間違いない。
ベイトが居れば釣れる、居なければ釣れない。
そのシンプルな考えが結果をもたらした。
今回導入した話題のトローリングモーターも草深チームの釣りを助けたと思われる。
こうして、W.B.S.初の試みに優勝した草深選手。
「トーナメントプロはトーナメントで結果を出すことが仕事です。そういった意味では今年はいい仕事ができたシーズンでした。まだクラシックがありますが……」
と語っていた。
さらに
「タックル面のサポートも大きかったです。それがなければこの成績もなかったでしょう」
とサポートメーカーへの謝辞も忘れなかった。
そんな意味ではパートナーの柏木選手もサポーターの一人。
二人の力が噛み合った優勝といえよう。
素晴らしい!
タックルデータ
草深幸範
Tackle1
ROD: DAIWA スティーズ ストライクフォース
REEL: DAIWA スティーズ リミテッド 8.1L
LINE: サンライン シューター14lb
LURE: バークレイ パワーホッグ3”
RIG: ヘビーキャロライナリグ
Tackle2 (ビッグフィッシュ賞)
Rod: DAIWA エアエッジ(プロト)
REEL: DAIWA スティーズ 103L
LINE: サンライン シューター 18lb
LURE: ウルトラバイブ スピードクロー
RIG: テキサスリグ5g
柏木健作
Tackle1
ROD: マイルストーン オリジナルロッド 6.8
REEL: DAIWA タトゥーラ SV TW 8.1
LINE: サンライン FCスナイパー16lb
LURE: O.S.P ハンツ+スタッガーワイド3.3
Tackle2
ROD:メガバス オロチ X4 711
REEL: DAIWA タトゥーラ SV TW 8.1
LINE: サンライン FCスナイパー16lb
LURE: O.S.P ドライブシャッド 3.5
RIG:ヘビーキャロライナリグ
準優勝は金栗豊・片伯部貴・山下雄太(霞デザインB)チーム。
プラでは4日間で1本とかなり悲惨な状況。
そこで16日はスタートも遅かったので、
得意のスノヤハラをあきらめ、
近所の流入河川をチェックしようと出て行った。
それが結果的に大正解。
桜川と花室川を往復して、
ピンコストレートのジグヘッドワッキーでひたすらカバー撃ち。
10時過ぎにキロアップを4本ライブウェルに確保した。
あと一本が遠かったが、
それも根性で獲って6075gという優勝してもおかしくないウェイトを持ち込んだ。
これで金栗選手はクラシック権ゲット。
プラでは不調でも本番に強いところを見せ付けた。
クラシックでも怖い存在である。
金栗豊
Tackle1
ROD: エンジン スペルバウンド サーキットクラス SBCC-608FM2
REEL: DAIWA SS SV
LINE: フロロ12lb
LURE: ノンスタックジグ5g(プロト)+プロトシャッドテール(クビレシャッド)霞デザイン
Tackle2
ROD: エンジン スペルバウンド サーキットクラス SBCS-603SLT1 MG
REEL: DAIWA イグニス
LINE: フロロ4lb
LURE: ピンコストレート 5.8(霞デザイン)
RIG:ジグヘッドワッキー
Tackle3
ROD: エンジン スペルバウンド サーキットクラス SBCC-608 T4
REEL: DAIWA SS SV
LINE: フロロ14lb
LURE: ラバージグ1/2 +カスミクロー
片伯部貴
Tackle1
Rod: 63ML
REEL: DAIWA SS Air
LINE: フロロ8lb
LURE: 霞デザイン ピンコストレート
RIG: 5gヘビダン
Tackle2
ROD: 69MH
REEL: DAIWA スティーズ
LINE: 14lb
LURE: 霞デザイン ノンスタックジグ5g(プロト)+カスミクロー3
RIG: テキサスリグ5g
Tackle3
ROD: 69MH
REEL: DAIWA SS SV
LINE: 13lb
LURE: スピナーベイト
3位は長岡正孝・田中和也(Hitch ballers)チーム
このチームのゲームも平穏ではなかった。
スタート直後にトリムモーターが死亡してしまったのである。
それでも勇気を奮って和田の浚渫にチャレンジ。
しかし2時間音なし。
そこでホームの北浦を目指した。
W.B.S.の第五戦あたりから秋の気配を感じ取っていた長岡選手、
風の当たるジャカゴ、石ズミなどにシラウオがリンクしていると、
メガバスV9を巻き倒してびしびし釣りまくった。
イージーといってもいい釣れ方だったという。
フォローはダウンショットで「飼っている魚」を加え、
5410gというナイスウェイトをまとめた。
「北浦の魚のサイズが上がった」とは正直な印象だろう。
とはいえ、エンジンの不調にもめげず
北浦まで走った敢闘精神は敬服に値する。
来期の活躍が楽しみである。
長岡正孝
Tackle1
ROD: メガバス デストロイヤー X7 F4-611X7
REEL: DAIWA ジリオン JD
LINE:メガバス ドラゴンコール マイルドフロロ14lb
LURE: メガバス V9 3/8oz
Tackle2
ROD: メガバス デストロイヤー X7 F2-63X7
REEL: DAIWA SS Air 8.1R
LINE: メガバス ドラゴンコール マイルドフロロ8lb
LURE: メガバス ヒライシン 475 3/64oz
RIG: ネコリグ
Tackle3
ROD: メガバス デストメイヤー ヘッジホッグ F3 ST 63X
REEL: DAIWA リミテッド 8.1
LINE: メガバス ドラゴンコール マイルドフロロ10lb
LURE: メガバス ハゼドンシャッド 3
RIG:ダウンショット
田中和也
Tackle1
ROD: 69MH
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE:フロロ16lb
LURE: 霞デザイン エビチュー
RIG:キャロライナリグ18g
Tackle2
ROD: 62LS (フルソリッド)
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: 6lb
LURE: レッグワーム
RIG: ダウンショット
Tackle3
ROD: 6.11MH
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: 14lb
LURE: ハイピッチャー 3/8oz
こうして話題も豊富にW.B.S.オープン、スキータージャパンカップは幕を閉じた。
できれば二日間行いたかったが、自然には勝てない。
ノートラブルで終えることが出来たことを喜ぶべきだろう。
いうまでもないが、
このイベントはスキーター・ジャパン様他の多大な協賛があって初めて可能になったもの。
あらためて感謝申し上げたい。
そして遠方から参加して盛り上げてくれたアングラー諸氏、
そして今回も運営に協力してくれたスタッフ、関係者一同にお礼を申し上げる。
みなさん、ありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
また来年、会いましょう!