WBSプロ第2戦レポート


シラウオパターン炸裂!!

小野光一・日向寺護チーム
驚愕の7kgオーバーで北浦に勝つ!!

2019 WBSプロトーナメント2nd レポート

最近、世の中を騒がせている
「シラウオパターン」。
霞ケ浦・北浦で釣りをする
オカッパリアングラーの間では
常識に近いようだ。
このキュウリウオ目
シラウオ科の魚が
産卵でシャローに上がって来て、
さらに春の風で岸際に
吹き寄せられると、
バスはそれを目指して
捕食に走る。
それがいわゆる
シラウオパターンだが、
「たまたまだろー」と
疑っていたアングラーもいた。
しかし、今回のゲームでは、
シラウオパターンは厳然と
存在することが証明されたのだった。

今年の春は日替わりだ。
ポカポカ陽気の日もあれば、冷たい風が吹きまくる寒い日もある。

W.B.S.第二戦の当日も寒かった。
そもそも前日から東系の冷たい風が吹き荒れ、プラに挑む選手たちの意気を削いだ。

しかしっ、今回はこの風がキーとなった。
北浦西岸に吹き寄せる風が、シラウオパターンを成立させたのである。

当然、ボートは西岸に集中した。

各チーム、思い思いのスポットでライトリグを駆使したのである。
水原、釜谷から矢幡(ヤバタです)、そして白浜から鹿行大橋の上流まで、ボートは散在した。


北利根川でオカッパリのイベントが行われていたため、そこを避けたこともあるが、ボートが北浦に集中したことはプロが考えることは同じだなー、という印象を与えた。

それでも釣ってくるチーム、釣れなかったチームに分かれたのも事実。
その差は、差してきた魚とのタイミングだけだったと思われる。
シラウオがいても肝心のバスの食い気がなければ釣れない。
昼近くから気温水温も上がり、バスの活性が上がった。
それとシラウオをリンクさせたチームに神は微笑んだのである。

神が与えたご褒美はバイトの数だけではない。
この時期特有なビッグバスをも供給してくれたのである。
ビッグバスが固まればビッグウェイトになる。
優勝チームは久々に7kg超えのコールを聞いたのである。
それも一番に最初に徒歩ウェイインで聞いてしまったである。

そのチームとは……小野光一・日向寺護チーム。
今年からAプロにカムバックした小野選手は、言わずと知れたW.B.S.最ベテラン。
それがホームの北浦スタートで黙っているわけはない。

すでにマリーナのトーナメントの結果などから、
「こりゃーシラウオパターンをトライするしかない」
と決めていた小野選手は、プラ期間中にケイテックの馬路社長にイージーシェイカーの特注品・シラウオカラーをもらったこともあり、プラン決定。
スタート直後から白浜を目指した。

プラではネコリグで魚を感じていたが、試合ではダウンショットを導入。
朝一にハードボトムで1300gを獲った。

その後、しばらくバイトが遠のいたので、マリーナ横の石積に移動。
「やっぱりここで釣りをしていると安心する」
と心を落ち着かせて、再び白浜に移動。
すると時合到来。
パートナーと二人でラッシュが始まった。
そこでリミットメイク。
1735gというビッグフッィシュも獲ってしまった。

そして再度マリーナ横の石積に戻り、橋本チームが釣っているのを黙視するが、いい魚を5本持っているので動揺はない。

第一フライトなので早めに帰り、そこで前述の徒歩ウェイインとなったのである。

このチームの勝因は、1.3gダウンショットという軽いリグ、細いライン、そしてイージーシェイカーというバスが見慣れていないワームなどでシラウオパターンに見事にハメたことといえるが、細かな工夫も見逃せない。

それはシンカーの自動ハリス止め部分をビニールパイプで覆うこと。
こうすると圧倒的に根掛かりが減る。
岩にスタックするとバイトチャンスがなくなるので、非常に効果的だったと思われる。

ちなみにこのビニールパイプ、ヘラブナ釣りの仕掛けではごく一般的である。
この上からオモリを巻くと、糸絡みが劇的に減るからだ。

というわけで小野選手は「ラッキーでした」
と謙遜したが、5本7170gは北浦レコードである。
それまでは2014年に成田選手がマークした6600gだった。

ちなみにW.B.S.トータルの記録としても4位。
1位は2013年5月に大藪選手が記録した7350gである。
7kgオーバーはやっぱり5月に達成されていることが多い。

こうして潮来マリーナスタートで勝利の美酒に酔った小野チーム。
21日夜の祝宴は終わることがなかったようだ。

昔、土浦スタートの試合で小野選手が勝った時、マリーナの仲間は小野選手が帰るまで待っていてくれたという。
潮来のアングラーはそれほど結束が強い。
それをまとめているのが小野選手なのだ。
心からその健闘を称えたい。


Tackle data
小野光一
Tackle1
ROD: レジットデザイン WSS64UL
REEL: スピニングリール
LINE: 4lb
LURE: ケイテック Easy Shaker 3.5
RIG:1.3g ダウンショット

Tackle2
ROD: DAIWA エアーエッジ 6.8ML
REEL: DAIWA 2500
LINE: 4lb
LURE: OSP HP シャッドテール 2.5
RIG:1.3g ダウンショット

日向寺護
Tackle1
ROD:自作 66M
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE: 10lb
LURE: O.S.P ドライブカーリー
RIG:ダウンショット

準優勝は「帰着時には勝ったと思いました」
という橋本卓哉・阿部寿徳チーム。
確かに5本5645gは優勝ウェイトといってもおかしくない。
それも入れ替えで700gや800gをリリースした結果だ。
「勝った」と思うのも無理はないだろう。

このチームの釣りもシラウオパターン。
ハイドロスティックのケイムラシラウオカラーのジグヘッドを駆使したというから、
100%シラウオパターンだ。
「プラの前まではシラウオパターンなど都市伝説と思っていた」
橋本プロだが、他のカラーとの明らかな違いに、
その実力を認めざるをえなかったという。

キモはこのリグを岩にスタックさせずにスレスレに引くこと。
そして違和感にアワセてみることだった。
ハンドルを回しているだけでの釣りで、ノー感じだが
岩スレスレを引いているイメージを大切にしたという。
シラウオパターンも小技を効かせないとダメだということか。

橋本卓哉
Tackle1
ROD:DAIWA スティーズ キングボルトFスペック
REEL: スィーズ タイプⅡ ハイスピード
LINE: スティーズフロロ4lb
LURE: ハイドロスティック (ケイムラシラウオ)
RIG:ジグヘッド

阿部寿徳
Tackle1
ROD: DAIWA スティーズ キングボルトFスペック
REEL: DAIWA イグジスト スティーズカスタム 2506
LINE: スティーズフロロ4b
LURE: ハイドロスティック (ケイムラシラウオ)
RIG:DAIWA バサーズジグヘッドSS

三位はやはりライトリグを駆使した平本直仁・鈴木Dora敬弘チーム。
プラで可能性を感じた北浦上流の4カ所のハードボトム&インビジブルストラクチャーをローテーション。
小さいワームじゃないと喰わないことを察知して、
キャリラバを封印。

2.5インチのシャッドテールワームのダウンショット、
1.3gのジグヘッドワッキー、
1.4gのネコリグというように
軽めにまとめた3つのリグを丁寧に使って魚に口を使わせ、
フィネスな釣りにも対応できることを証明した。

平本直仁
Tackle Data 1
ROD: Fenwick ACES70CLP+J Baitfinesse Special
REEL:KTF アルファス フィネス
LINE:フロロカーボン8ポンド
リーダー:フロロカーボン10ポンド
LURE:2.5in シャッドテールワーム各種
RIG: 3.5gDS
フック:ICHIKAWA FISHING TG1#4

Tackle Data 2
ROD: Fenwick S-TAV63CLJ Baitfinesse Special
REEL:KTF アルファス フィネス
LINE:フロロカーボン8ポンド
LURE:Gary ウェーブモーション他
RIG: 1.3gジグヘッドワッキー

Tackle Data 3
ROD: Fenwick S-TAV64CLP+J Baitfinesse Special
REEL:KTF Abu Revo LT7 KAHEN finesse
LINE:フロロカーボン8ポンド
リーダー:フロロカーボン10ポンド
LURE: Gary ウェーブモーション、SAWAMURA スイミーバレット4.8in・5.8in 他
RIG: 1.4gネコリグ

Dora
Tackle1
ROD:Dyunamis 607 MH-ST
REEL:ベイトキャスティングリール
LINE: 10lb
LURE: O.S.P HPシャッドテール
RIG:ヘビダン

Tackle2
ROD: Evergreen international Heracles 510MH-ST
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: 12lb
LURE: ノンスタックジグ+クビレシャッド 霞Design

Tackle3
ROD: Evergreen international Heracles ウォレシア
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: 10lb
LURE: Do-No Shad

4位は鹿行大橋上流のウィンディーサイドで
風をブロックしているドック周りを攻めた
イシケン・小田朋樹チーム。
イシケン選手が3インチパワーホグのフリーリグ、
小田選手がモコリークローの3.5gテキサスと、
やはり軽めのリグを駆使した。


そして5位は松村寛・清水綾チーム。
何度も潮来マリーナ横の石積に入り直してゲームを展開、
HPシャッドテール3.1のネコリグを岩の隙間に落として、
ナイスなメスを落ちパクで食わせたという。

こうしてリミットメイクが6チーム、
ゼロ帰着が6チームと、
釣れたとも釣れなかったともいえる微妙な第二戦は終わった。
だが、内容が濃い試合だった。

気が早いが年間レースも序盤が終わった。
これから2デイが2試合、1デイが1試合控えている。
まだまだどうなるか、まったくわからない。
ワクワクして見守っていきたい。

レポート・大和小平

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