WBSプロ第5戦レポート


何というクライマックス!

土浦新港に激震が走った!

最終戦の勝者は
石橋康二・佐藤善幸チーム、


そしてA.O.Y.の栄冠は小田島悟の頭上に!


2019 WBSプロトーナメント
finalレポート

どんな試合でも最終日に勝者が決まる時、
何がしかの感動を覚えるのものだが、
今回ほど衝撃を受けた試合はなかった。
ましてや今回は最終戦。
A.O.Y.やクラシック権が
決まるから尚更だ。
さらに、優勝チームとA.O.Y.の行方が
最後の最後まで分からなかったことも
人々が飲むカタズの量を倍に増やした。

恐らく1リットルは超えたであろう。
2019年の最終戦は、
それほどドラマチックな幕切れを見せたのである。

●上り坂、下り坂… そしてマサカ

9月15日午後2時30分。
橋本卓哉・中澤裕大チームが最後のトレーラーウェイインにやって来た時、それを見ていたものは誰もがこのチームの優勝、そして橋本選手のA.O.Y.獲得を信じて疑わなかった。

暫定トップ席には
石橋康二・佐藤善幸チームが待機しており、その隣には小田島悟選手が座っていた。

言うまでもなく石橋・佐藤チームは最終戦の、そして小田島選手はA.O.Y.の暫定トップである。

だからこの3人は、ステージで橋本・中澤チームのウェイインを待っていたのである。

だが、いずれも「もはやここまでか」と覚悟を決めていた。

石橋・佐藤チームが優勝するには橋本チームは3610g以下でなければならない。
そして小田島選手がA.O.Y.の座を獲得するには橋本チームは1920g以下でなければならない。

そのどちらも不可能な数字に思えた。なんたって橋本チームは初日5本6460gという破壊的なウェイトを持ち込んだからである。

「俺たちは橋本チームの引き立て役か」
暫定トップ席の3人はそう思ったに違いない。

そこに橋本チームがやって来た。

土浦新港にいる全ての人が、橋本チームの優勝、そして橋本卓哉が2年連続A.O.Y.の座に
輝くことを信じて疑わなかった。

観衆は「その時」を待っていたのである。
人々はヒーローを待望するものである。

橋本プロは無表情でライブウェルリッドに手をかけた。
そして1本の魚を取り出した。
「推定650g」
名刺代わりの魚だ。

そしてもう1本。
「推定700g」

さあ、ここから怒涛のビッグフィッシュが出て来るのか!?
そして最終戦の勝利とともにA.O.Y.も持っていくのか!?
全ての人間が橋本プロの一挙手一投足を見守った。
そこで橋本プロは一瞬ためて



バタッとライブウェルを閉じた。

んズガーン!!

土浦新港に激震が走った。

なんということだ!?

まさかの2本。

どよめきは3分ほど続いた。

しかし橋本プロは潔かった。
ウェイインを待ちながらすでに石橋チーム、小田島選手のウェイトを確認していた橋本プロは、その時点で最終戦の勝利とA.O.Y.が自分の手から去って行ったことを理解したのだろう。

MCが1385gという数字をコールする前に、小田島選手に握手の手を差し伸べていた。

心中察するに余りある橋本選手の失速だが、爽やかに小田島選手のA.O.Y.獲得を祝福した男気に敬意を表したい。

●最終戦初日ダイジェスト
9月14日6時、最終戦は静かに始まった。
未明から降り続いていた霧雨は、スタート時には止んでいた。
ローライトな湖面を37本のウェイクが刻んだ。

波乱に富んだ2019年W.B.S.プロトーナメントがスタートしたのである。
第4戦がキャンセルになった今年は、年間争いのプランも微妙に変わった。
2デイの第3戦が終わって、順位が大きく変動した後での最終戦である。

その場合、初日の結果がキーとなる。
そこで暫定順位も変わるからだ。

そんな最終戦の初日に飛びだしたのは前述のように橋本・中澤チームだった。


プラで感触を掴んだ北浦上流に走り、各ワンドの奥まったスポットをスピナーベイトで攻めて次々にクォリティーな魚を獲って行った。

ビッグフィッシュ賞を獲得した1660gはSSギルのテキサスリグだが、メインパターンはスピナーベイト。増水パターンをクレバーに処理した結果である。

石橋・佐藤チームも4900gと快調な滑り出しを見せた。
北利根川上流のハニースポットでゲンタホッグのテキサスが炸裂!
二日目への確かな感触も得て初日を終えた。

小田島悟・大出悟チームも快調な滑り出しを見せた。
プラはあまり良くなかったようだが、本湖東岸に望みを得て、当日行ってみればいい感じ。
エッジブレイカーのバックスライドで次々に魚をゲット。
船中12本という爆釣を演じた。

高岡展二・君和田和之チームも4675gという好ウェイトを持って来た。
そして今年絶不調の草深幸範・阿部寿徳チームも4550gと好調。

8チームがリミットメイクする、まずまずの初日だった。

この結果注目の年間争いは
1位 橋本卓哉    19545g
2位 小田島悟    17690g
3位 長岡正孝    17535g
4位 松村寛     16315g
5位 小野光一    15370g

という順位に変動した。

●運命の最終戦最終日
大会二日目はよく晴れた。
ていうか晴れてしまったという感じ。

初日より少し早く出て行った37チームは、思い思いの目標を胸に秘めてそれぞれのエリアに散って行った。

この日は初日に好調だったチームが釣って来た。
1チームを除いて…

石橋・佐藤チームは初日と同じスポットでゲンタホッグを投入。
7時半に揃ってしまうという好調さ。

台風で出来た新たなストラクチャーを活用しての二日間フルリミットメイク。
全チーム中唯一の10kg超えで優勝をもぎ取った。
石橋選手の自宅は台風にやられ、電気もなかなか通らず、そんな中でもオカッパリに出た熱心さが優勝に結びついた。今年初ボーターで初優勝である。

石橋選手
Tackle1
ROD:7f H/MH
REEL:ダイワ スティーズSV TW
LINE:東レ エクスレッド16lb
LURE:ゲンタホッグ
RIG:テキサスリグ(7g)

佐藤選手
Tackle1
ROD:ダイワ エアエッジ 681MLB
REEL:ダイワ SS AIR 8.1R
LINE:サンライン シューター・FC スナイパー BMS AZAYAKA 10lb
LIRE:OSP HPシャッドテール 3.1inch
RIG:ネコリグ

小田島・大出チームは苦しみながらも4本3780gを持ち込んで準優勝に輝いた。


初日とは打って変わった渋さに翻弄されたが、北利根で1本、本湖東岸のブッシュパターンを採用して3本モノにした。

とくに最後に獲った600gほどの魚が同選手をA.O.Y.に押し上げた。

二日目を迎えて、橋本選手との差も小さくなく、ましてや同選手が絶好調だったため、A.O.Y.は射程内になかったというが、コツコツと釣果を重ねた結果が大魚をもたらした。

小田島選手
Tackle1
ROD:Evergreen international ヘラクレス ファクト 70HST
REEL:ダイワ
LINE:Evergreen international バイザイルR 16lb
LURE:Evergreen international エッジブレイカー グリパン、グリーン
RIG:ノーシンカー

Tackle2
ROD:Evergreen international ヘラクレス フォースグランディス 7LTS HCSC-70M-LTS
REEL:ベイトリール
LINE:Evergreen international バイザイルR 14lb
LURE:Evergreen international フラップクロー 3.3インチ グリパン
RIG:14gキャロライナリグ

大出選手
Tackle 1
ROD: ロッド
REEL: ダイワ
LINE ライン
LURE: バックスライドクラーケン
RIG: ノーシンカー

Tackle 2
ROD: ロッド
REEL: ダイワ
LINE: ライン
LURE: モコリークロー
RIG:5gテキサスリグ

そして3位は運命の



橋本・中澤チーム。

二日目はチャプターが行われているので北浦を完全排除。
霞ケ浦本湖で残してあったスポットを転々としたが、流れのあるカバーでスピナーベイト獲った2本のみ。
増水パターンがメインだったため、急激な減水に翻弄された。
「自分が不甲斐ない」と肩を落としていたが、この借りはオールスターやW.B.S.クラシックで晴らすしかない。

橋本選手
Tackle 1(ビッグフィッシュ賞)
ROD: ダイワ エアエッジ 701MH-B ST
REEL: ダイワ SLPW セミオーダー8.1
LINE: スティーズ 14lb
LURE O.S.P SSギル
RIG テキサスリグ

Tackle2
ROD: ダイワ ブラックレーベル プラス 661MRB-G
REEL: ダイワ SLPW セミオーダー6.3
LINE: スティーズ 14lb
LURE : スティーズスピナーベイト

中澤選手
Tackle 1
ROD: ダイワ ブラックレーベル プラス 661MRGB
REEL: ダイワ ジリオン SV TW 6.3
LINE: ダイワ モンスターブレイブ 14lb
LURE スティーズスピナーベイト DW 3/8

そして4位は霞ケ浦本湖。
石田・田村などでジグストを駆使した
草深幸範・阿部寿徳チーム。

この結果、阿部選手は堂々POY(Partner of the Year)に輝いた。

5位は二日間お庭の北浦に走り、二日間フルリミットを達成した長岡正孝・清水綾チーム。
サイズが伸びなかったことが悔やまれた。


ちなみに2日目のビッグフィッシュ賞は、イシケン・金井敏チームが桜川中流から抜き出した1555gが獲得した。

イシケン選手
Tackle1
ROD: ケイテック KTC 765
REEL: ベイトキャスティングリール
LINE: BASS X 14lb
LURE O.S.P ドライブビーバー3.5インチ
RIG:5g フリーリグ

こうして話題も豊富に2019年のW.B.S.トーナメント、
レギュラー戦は終わった。
勝者の石橋・佐藤チーム、
A.O.Y.の小田島選手、
P.O.Y.の阿部選手には心からオメデトウと申し上げたい。

あとはオープン戦とクラシック、こちらも面白い試合を見せてほしいと願っている。

とりあえず全ての皆さん、
お疲れ様でした。

レポート・大和小平

No Comments Yet.

Leave a comment

You must be Logged in to post a comment.