WBS2015シリーズ 第3戦 レポート
嵐の桧原湖決戦!
2015年6月28日季節は梅雨真っ盛り・・・
と言いたいところであるが、今年の東北地方は
数日前にやっと梅雨入り宣言が出されたばかりである。
元来梅雨と言えばその前半は「しとしと雨」が続く・・・
のが当たり前だったそうである。
しかしここ数年は「梅雨のゲリラ豪雨」が各地で見られている。
今年は九州の鹿児島から奄美地方で例年の数倍以上の
豪雨が降り続いている。
それも災害につながるような異常な降り方であるという。
災害に逢われてしまった方々にはお見舞いの言葉をおくりたい。
アウトドアの自然を相手にゲームを行う我々釣り人は
雨を避けるなどということは不可能である。
常に「雨」という事を意識しながらのゲームを
考えなくてはならない。
それは我々運営サイドの者も同様である。
雨対策は常に怠らないように準備をしているのだ。
土曜日の早朝にWBS本部のある土浦を出発して
一路桧原湖を目指す。
磐越道をひた走るが雨は止むことなく降り続いている。
しかし、猪苗代・磐梯高原インターを降りると
雨は上がっていた。
更に目的地の今回の会場となる「早稲沢キャンプ場」では
到着時に雨は完全に上がっていた。
心の中で「今年は大丈夫か!」と翌日の好天を期待したのは
当然であるが、この期待は見事に裏切られることになる。
夕食を済ませ、温泉に浸かり男ばかり6名のスタッフと
バンガローに戻ったのは夜8時過ぎである。
(ちなみに女性スタッフはペンション泊りである。)
アルコールもそこそこに翌日の試合に備え9時ころには
シュラフにもぐり込んだ。
しかし地震かと思わされるような振動と音で目が覚めると
外は暴雨風になっていた。
外の様子を見に行くのも躊躇するような状態である。
これがなんと朝方まで続いた。
結局私は起床予定の3時半までに5,6回は目が覚めた。
それほど「酷い」天候となってしまった。
更に「明るくなるころには収まるだろう」との私の淡い期待は
見事に裏切られた。
選手集合時刻の朝4時半になっても、少し静かになったかと思うと
またすぐに暴風が吹くという繰り返しである。
朝のミーティングからスタート時には一時的に静かになったが
それもほんのひと時である。
そして何とか5時半前には全チームのスタートが完了した。
その後も雨風共に強弱を繰り返している。
ここまで荒れたのはWBS桧原湖戦では初であろう。
後からのインタビューで選手からも天候、特に風の話題が
多く語られたことからも認識できた。
ウェイインが始まるとほとんどの選手は3kgを少し超えてきている。
全体として600~650gがアベレージのようだ。
このアベレージフィッシュをどこまで入れ替えられたのかが
勝負のカギとなるようである。
順を追って上位入賞者の戦略を見てみよう。
まず6位に入賞したのは小野光一/森山良夫選手チームである。
3620gは早稲沢キャンプ場の対岸の岩盤エリアである。
ここは森山選手が見出した場所でほとんど一日このエリアで
過ごした。
ダウンショット3/32オンスでガルプ・サーディーンワーム一本で
の勝負だった。
5位に入賞したのは平本直仁/加藤義明選手のチームで3640g、
6位とは僅か20g差である。プラクティスでは8mラインに
魚を見出していたが試合当日は反応が無くなり6mラインに
狙いをシフトし何とか2本キャッチ。
その後はリミットを揃えるもウェイトが伸びなかった。
狙いを変えバンク沿いで700gを入れた後、糠塚周辺で
1/2フットボールジグ+フラグラブを使い
700gを2本追加してこの順位に入賞した。
4位は2連勝で波に乗る小田島 悟選手と袖山敦志選手のチームである。
朝から大川の6~8mのフラットでリミットを揃え
その後ラージ狙いにシフトするというスケジュールを組んでいた。
10時までに予定通りベースウェイトを獲ることができたが
その後のラージ狙いが不発に終わり3,650gでこの順位になった。
3位は3720gをウェイインした大藪厳太郎/高橋和也チームである。
3番スタートという条件を生かし当初から狙っていた糠塚へ
朝一番で入ることが出来た。
しかし、風が強くエレキを踏んでボートをステイさせるのが
精一杯の状態だった。そこで大藪選手がエレキを踏みボートをステイさせ
高橋選手が釣るというチームトーナメントならではの作戦とした。
ここで700gを2本、4~500gを3本キャッチして
リミットを揃えることに成功する。
早稲沢の2mのシャローで850gをキャッチし、
その後は移動しながら微妙な入れ替えを繰り返してこの結果になった。
第2位は1,330gのビッグフィッシュ賞も獲得した
成田紀明/上杉真琴選手チームである。
1330gのビッグフィッシュとなる魚を含めラージマウスが3本
スモールマウスが2本で3750gである。
満水であることからプラクティスの段階でラージ狙いを決めていた。
殆どシャローばかりを狙ってのウェイトである。
とにかく全湖を走り回り、岸に向かってシャローを成田選手が打ち、
沖に向かって上杉選手が打つというここもチームならではの
試合展開を見せた。
なおこれは2013年にこの桧原湖で成田選手が優勝した時と
同じパターンでの釣りだったようである。
そして優勝は3760gをウェイインしてボーターとしては
初優勝となる平川皓也選手と竹内 聡選手のチームである。
スタート直後からプラクティスで調子の良かった糠塚島に直行し
パワーポール1本でボートを止めキャロライナリグで
ボトムから僅かに浮かせるイメージでトレースする
という釣り方である。
朝6:20にリミットメイクをするがウェイトが伸びない。
10:30まで僅かずつではあるがウェイトを伸ばしていったが
この時間から釣れる魚のサイズが落ち始める。
更に深いエリアへのシフトを考えたが
沖には多くの選手が固まっていたためこれを諦め
それまで使っていた2.5ポンドのタックルを
ストレージにしまい、20ポンドタックルと交換して
シャローカバーのフリッピンに完全シフトする。
これによりシャローカバーの最奥から
サイズの良いラージマウス3本を引き出すことに
成功して優勝の栄誉を手にした。
パートナーの竹内 聡選手も桧原湖でこんなすごい
フリッピンが見られるとは思わなかったと答えた。
しかし、2位との差は僅かに10g、6位と優勝の
ウェイト差も140gしか差が無いという結果になった。
優勝の平川皓也選手が語ったのはとにかく諦めずに
糠塚周辺で僅かずつでも入れ替えを繰り返し
ウェイトを伸ばしていったのが結果的に10g差でも
優勝に繋がったので嬉しいという事であった。
勝者というのはそれが結果として無駄に終わるかも
しれないと思われても、可能な限り考えられる最善の策を
講じて試合に臨むことにより、それが報われるという事だろう。
いよいよWBSも後半戦突入である。
年間成績も発表されAOY&BPOYの行方に目が離せなく
なってきた。
次回は8/23の北浦・真夏決戦である。
報告 横山鉄夫
Tackle Date
第1位 平川皓也
Tackle①
Rod ブラックレーベル FT681LXS
Reel カルディア2506H
Lure パワーホッグ 3in グリパン
Line フィネスブレイブ 2.5ポンド
Rig 2.7g キャロライナリグ
Tackle②
Rod ブラックレーベル FT762ULXS
Reel カルディア2506H
Lure パワーホッグ 3in グリパン
Line フィネスブレイブ 2.5ポンド
Rig 3.5g キャロライナリグ
Tackle③
Rod ブラックレーベル PF731MHFB
Reel ジリオン Jドリーム7.9
Lure スピードクロー グリパン
Line モンスターブレイブ 20ポンド
Rig 3/8oz テキサスリグ
第1位 竹内 聡
Rod ダイワ AIR EDGE 661LB
Reel ABU REVO ELITE IB
Lure ヤマセンコー 3in グリパン
Line FCスナイパー 7ポンド
Rig ノーシンカー
第2位 成田紀明
Tackle①
Rod ABUファンタジスタ レジスタ FRNC-70H TZリミテッド
Reel ABU REVO ロケット9
Lure パワーホグ 4in
Line トライリーンZ 20ポンド
Rig 3/8oz テキサスリグ
Tackle②
Rod ABUファンタジスタ レジスタ FCR-610MMGS
Reel ABU REVO IB7
Lure ゲーリーハートテール
Line バニッシュレボリューション 16ポンド
Rig ノーシンカー
Tackle③
Rod ABUファンタジスタ デュオ FSS60XULS MGS
Reel ABU レボネオス 2000S
Lure ゲーリー ピンテール
Line バニッシュ レボリューション 2.5ポンド
Rig 1.8gダウンショット
メインエリア 湖全域/とにかく動く!
第2位 上杉真琴
Tackle①
Rod レジットデザイン ワイルドサイド 65UL(ソリッド)
Reel SLP WORKSチューン イグジスト2004
Lure DAIWA スキニーカーリー
Line サンライン FCスナイパー 2ポンド
Rig 2.5g ライトキャロ