No.1 クレーム
いずれ本場・アメリカのトーナメントを志向している人たちに向けての「ちょっとした英語」や「現場ネタ」をメインにしたコラムです。たまに脱線する予定ですが、どうぞよろしく。
んで、最初のお題は
「クレーム」
最近のB.A.S.S.は底辺の拡大に熱心です。トーナメントでは子供相手のイベントが目白押し。だから家族連れのギャラリーが実に多い。サイン会や撮影会、キャスティングゲームなどに長い列ができるのは日本と同じですね。でも、シニアのご夫婦などのギャラリーがアメリカにはたくさんいて、そこは日本と大きく異なります。
トーナメント自体も将来のエリートプロを目指すためのカテゴリーが充実しています。ハイスクールやカレッジスチューデントによる試合が全国規模で行われているのです。
先日もB.A.S.S.のサイトを覗いていたらそんな記事が出ていました。
タイトルは
Catamounts claim college regional
Catamounts というのは山猫などの動物のことで、優勝チームを比喩的に表しています。
注目されるのは claim という言葉で、日本では「クレーム」というと「文句」という意味が一般的です。「クレーマー」という言葉もここから来ていますが、アメリカでは「文句屋」という意味での使い方は一般的ではありません。
本来の意味は「所有を主張する」ということで、たとえば土地の所有権でモメていた人たちがお互いに「ここは俺の土地だ」と主張する時などにこのclaim という言葉が使われます。ちなみに、横一線でゴールした競馬の騎手が「俺が勝った」と手を挙げるのも「クレーム」です。
だからB.A.S.S.のサイトの記事は「一位の座を確保した」ということになります。しょっちゅう出て来る言葉ですね。
日本人としては
Catamounts claim college regional を
「カタマウントはカレッジ地方予選に文句をつけた」
というように訳しがちで、極めて間違いやすい言葉だといえます。
それでは「文句をつける」はどんな言葉が使われるかというと「complain」が妥当です。
というわけで新たに始まったこの連載に complain はご容赦……ってことでまた来週!