いつかはアメリカ? by Pill Gates

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No.25 小野将大クンの場合 最終回


というわけでいよいよトーナメント初日がやってきました。ちなみにコ・アングラーのエントリーフィーは460ドル。5万円ぐらいでしょうか。

 初日のスタート前です

将大クンは朝、ランチング会場に行きます。寒かったようです。マイナス6℃! しかし、ここでまたもやトラブル発生。パートナーと出会えません。なんたって400人もいる会場です。ごった返しています。前日、待ち合わせの場所を決めていたはずが出会えません。一瞬パニックりましたが、MCの人に呼び出してもらってなんとか出会うことが出来ました。

ディオンとはルアーの交換をしました

前回も書きましたが初日のパートナーはディオン・コネリーという24歳のルーキー。いい人だったみたいです。ボートに乗るなりタックルボックスはここに入れろなどと親切に教えてくれたそうです。釣りに関しては特別な指示はされませんでしたが、前に投げるなとだけ言われました。いうまでもありませんが、ライブウェルは分けます。そしてW.B.S.と同じようにガソリン代をボーターに払います。額は応談ですが40ドルぐらいだったそうです。

意外だったのはほとんどの選手がタックルをストレージに入れていたこと。見せたくないのでしょうか、日本とはずいぶん違うなと感じたそうです。

初日の釣りはジャークベイトを遠投する釣りで1キーパー1ノンキー。ボーターがオフショアーの立木でフットボールを使っていたので、なかなか釣りにくい状況だったとか。でも、根掛かりは嫌な顔をしないで取りに行ってくれたようです。3人のパートナーがみんな、取りに行ってくれたようです。ランディングは行わなかったといっていました。

ウェイインバッグは係りの人が待っていて配ってくれたようです。将大クンのような初参加の人でも、戸惑うことなく進行できるようなシステムが整っていたのです。

ウェイイン待ちの列

爆発したのは二日目。パートナーはあのトミー・マーチン。バスマスタークラシックチャンプです。将大クンはその後ろでボコボコに釣っちゃったみたいです。

トミー・マーチンと組んじゃいました

最初はスモールの50UP。シャッドテールのテキサスでしたが、トミーは「どんなワームを使っているの」と聞いてきたそうです。2尾目はやっぱりスモールの50UP。今度はシンカーの重さを聞かれたそうです。そして3尾目はデカいラージ。そこで聞かれたのはフックだったそうです。

 デカイの釣っちゃいました

その時点でトミーはゼロでしたから、大変な快挙です。

「このガキ、よく釣るなー」と感心したことでしょう。ちなみに3人のボーターは全員「キミ、何歳?」とトシを聞いてきたそうです。

「トミーはジグヘッド。僕は3.5gのテキサスでペグ止めしていなかったので、その辺の違いが釣果に表れていたのかも」と将大クンは語っていました。

こうして9lb13ozを持ち込んだ将大クンはいきなりジャンプアップしてトータル7位! 12チームしか進めない決勝戦に出られることになったのです。スゴイです。「2日目が一番楽しかった」というのもわかります。

 やりました。二日目のトップウェイトで7位です!

2日目が終わった時点で結果が電光掲示板に掲示され、すぐにパートナーが決まります。ボーター12人、コ・アングラー12人の計24人しかいないので簡単です。3日目のパートナーはロイ・ホーク。そこで二人は互いに自己紹介して翌日に備えます。

この12チームの中にはあのリック・クランもいたみたいで「オーラが強すぎて近寄れなかった」と将大クンは言っていました。20歳じゃしょうがないですよね。オヤジだったらズケズケ近寄ったでしょうが。

三日目のパートナー、ロイ・ホーク。シューティングでボコボコに釣っていました

そして3日目。ボーターのロイは魚探を見ながらズコズコ5尾釣ったようですが、将大クンは1尾のみ。岩盤でシャッドテールワームのドラッギングで釣ったみたいです。でもこの1尾がとても貴重で、バスプロショップでのウェイインショーで堂々と魚を見せることが出来たのです。ちなみにウェインショーがあるのは最終日だけ。初日と二日目はサクっとウェイインして終わりだそうです。

将大クンのウェイインでは、多くのギャラリーが祝福してくれたそうです。そういえばアメリカでは魚持ちの写真を延々と撮ることはしないみたいです。W.B.S.でもこの辺は参考にしたいですね。

 バスプロでのウェイイン。ここに立てたことはものすごい名誉です

B.A.S.S.のオフィシャルにも写真が掲載されました

こうして将大クンは初のオープン参加で11位! 賞金も1990ドル。日本円で手取り15万円ぐらいを手にしました。でも、小切手を日本で換金するのに2か月ほどかかったとか。めんどくさいですネ。

その後は再びダラスの宮崎邸に戻り、近所の池で反省フィッシングをしたりしてゆっくり過ごしたようです。

 ダラスに戻ってからは近所のレイクでテストフィッシング。楽しかったス

「最高の経験でした。できればまた行きたいです。アメリカのトーナメントでは場所を見つけるのが一番だと思い知りました。だから釣りがとても早い。一か所でジグジグ粘るようなことはなかったです。とても参考になりました」 将大クンは当時を振り返ってこう語ってくれました。

ちなみに将大クンのような若いコ・アングラーは極めて少なかったようです。なぜならB.A.S.S.にはカレッジやハイスクールのカテゴリーがあり、クラシックに進める道があるので、みんなそっちにエントリーするからです。

というわけで将大クンのB.A.S.S.オープンチャレンジは大きな収穫を残して終わりました。皆さんもぜひこうしたチャレンジを実現させてほしいと思います。

 サヨナラ、ダラス。また来るよ

最後に分かっている範囲で掛かった費用を列記してみます。ドルと円が混じっていますが、大体わかりますよね。

 

  • 飛行機代      46000円
  • エントリーフィー  460ドル
  • ライセンス      60ドル
  • モーテル宿泊費(1週間) 800ドル(朝食付き)
  • 荷物オーバーチャージ 176ドル

 

あとは昼食、夕食代。現地で購入したタックル代、ボーターに払ったガソリン代、お土産などで冒頭に述べた様に40万円少々。この出費が高いか安いかは、将大クンの将来が証明してくれるでしょう。

  アッという間の二週間でした

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